「1番は誇り」坂本、3年ぶり開幕白星“導く”!

[ 2010年3月26日 06:00 ]

開幕を前に、真剣な表情でティー打撃に取り組む坂本が

 プロ野球のセ・リーグは、26日に開幕。本拠地・東京ドームでヤクルトと激突する巨人は、坂本勇人内野手(21)が昨年の開幕戦で味わった悔しさを胸に1番打者として勝利に貢献することを誓った。08年にレギュラーの座を奪ってから3度目の開幕を迎えるが、過去2年はいずれも無安打でチームも黒星。リーグ4連覇と日本一連覇に向け、高卒4年目のリードオフマンがチームに07年以来3年ぶりの開幕白星をもたらす。

 準備は整った。役割も分かっている。東京ドームでの全体練習。フリー打撃では快音を連発し、ノックの動きも軽快だった。過去2年の開幕戦は8番で先発したが、今年はチームで最初に打席に向かう。坂本は「出塁率がよければ勝つ確率も上がる。後ろ(中軸)は凄い人ばかり。それ(出塁)だけを考えてやりたい」と言葉に力を込めた。
 昨季は打率・306、18本塁打、62打点で7年ぶり日本一に貢献。原監督が「坂本のバットはチームに勢いを与える」と評したように出塁率が勝敗に大きく影響した。1番に定着した5月6日以降で出塁がなかったのは15試合で、チームは4勝10敗1分け。リードオフマンの責任は重いが「1番を打てるのは誇り。ずっと1番で活躍できればいい」と目を輝かせた。
 忘れもしない記憶がある。1年前の開幕戦、09年4月3日の広島戦(東京ドーム)。6回の打席で一塁への全力疾走を怠り、途中交代させられた。高卒2年目の08年に全試合先発出場の偉業を達成した翌年、目標のフルイニング出場がいきなり消滅した。試合後、原監督は「勝つための交代」と多くを語らなかったが周囲には「鼻っ柱を折ってやった」と懲罰の意味合いがあったことを吐露。指揮官の無言のゲキを糧にリーグを代表する遊撃手となった09年を坂本は「開幕戦の悔しさがあって成長できた」と振り返ったこともある。この日の練習を見守った原監督は「高いハードルをあっという間に越えていく素晴らしい選手。(実質)3年目もクリアしてほしい」と期待を寄せた。
 チームは08、09年とも2年連続で開幕黒星スタート。坂本も無安打に終わった。対戦が予想されるのはヤクルト・石川。昨季は10打数4安打で打率4割をマークしたが「苦手意識も、得意な意識もない」と気を引き締める。がむしゃらだった08年、屈辱を味わった09年。開幕戦への思い入れは誰よりも強い。今年こそはチームを勝利に導く。

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2010年3月26日のニュース