イチ復帰即マルチ!!W偉業へ全力発進

[ 2009年9月3日 06:00 ]

9試合ぶりに出場のエンゼルス戦で2安打、勝利し引き揚げるマリナーズのイチロー

 【マリナーズ2―1エンゼルス】マルチで自ら快気祝いだ。左ふくらはぎの張りで欠場が続いていたマリナーズのイチロー外野手(35)が1日(日本時間2日)、エンゼルス戦に「1番・右翼」で9試合ぶりに復帰し、いきなり4打数2安打をマークした。これでメジャー通算2000安打に残り9と1ケタ台に突入し、前人未到の9年連続200安打も残り14。全快をアピールしたイチローが快挙達成へ向け再び走りだした。

 3歩目。足に伝わるその感覚に、イチローは安どした。「凡打になってちょっとうれしいのは過去にほとんどないわね」。初回の第1打席。外角球を引っ掛けた二ゴロが最大の“収穫”だった。
 8月23日のインディアンス戦で左ふくらはぎを痛めたのも、投ゴロで一塁へ走る3歩目。「打った後の3歩ぐらいっていうのが一番怖いところやからね。あの打席はそういう感触を確かめられたよね。“この先があるな”っていうことを確かめられるわけだから」
 25日には故障の理由を、陸上100、200メートル世界記録保持者のウサイン・ボルトに走法を教わった夢だったと冗談交じりに明かしたが、復帰戦で最も重視したのは走塁。初打席で足の回復具合を確認すると安打製造機にスイッチが入った。3回の第2打席。2―1からサンタナの84マイル(約135キロ)の外角高めチェンジアップを中前へ。「1本をきょうはどうしても出したかった」。5回には外角低めのスライダーを右中間へ運んだ。
 「やっぱり空気が澄んでいる。景色もいいし、自分がいる所だと思うわね」。戦列に帰ってきた心境をそう表現したが、患部はまだ完治はしていない。全力疾走を封印し、攻守に8割程度のスピードでプレー。「あれぐらいなら全然。その先(全力疾走)にいってないから分からないですけど。(怖さが消えるのは)ここにあるもの(違和感)がなくなった時じゃないですか」。まだ恐怖感と違和感は残っている。
 開幕直後に胃かいようで欠場したのと同じ8試合をベンチから観戦。「つまんない」という気持ちと闘っていたという。「4打数無安打か、5打数無安打か知らないけど、そうやってストレスをためる方がまだいい」。だが、集中力は切らさなかった。「(展開を)想定しながら気持ちを入れていた。(WBCでの)川崎選手ばりに」と振り返り、ベンチでバットを持っていた理由を「飲み屋でたばこを吸う人の、手持ちぶさたな感じ」と話すなど、久々にイチロー節も復活した。
 今季の安打ペースは1試合1・59本。このペースだと“Xデー”はメジャー通算2000安打が8日(日本時間9日)のエンゼルス戦で、大リーグ新記録の9年連続200安打は11日(同12日)のレンジャーズ戦。「最後の1カ月。きょうからの30試合と考えている」。出場できる喜びを感じながら、ラストスパートを掛ける。

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2009年9月3日のニュース