ヒルマンが再生?野茂 ロイヤルズ入り

[ 2008年1月5日 06:00 ]

ロイヤルズとマイナー契約を結んだ野茂

 前ホワイトソックス3Aの野茂英雄投手(39)が4日、ロイヤルズとマイナー契約を結んだと自身のホームページで明らかにした。2月中旬から始まるキャンプには招待選手として参加する。前日本ハムのヒルマン新監督を迎え、ロッテからFAで薮田を獲得したロ軍に復活を期す伝説のトルネードが加入。マイナー契約も含めると米10球団目となる新天地で、3年ぶりのメジャー復帰に挑戦する。

 あの雄姿がもう一度見たい。日米通算201勝を挙げた野茂が、ロイヤルズで3年ぶりのメジャー復帰を目指すことになった。「とにかくケガせず、頑張りたいです」と自身の公式HPに書き込んだ短いコメントに、完全復活への決意が込められていた。

 「彼はこれまで多くの成功を成し遂げてきた選手。春のキャンプでチャンスが与えられるだろう」。ロ軍のムーアGMは全米を熱狂させたトルネードに期待を寄せた。右ひじの故障で06年にホワイトソックス傘下3Aを解雇。長期のリハビリを経て昨年10月20日にベネズエラのウインターリーグ、カラカスで551日ぶりの実戦マウンドを踏んだ。7試合に先発して0勝2敗、防御率6・52。雨降板などアクシデントが続き、11月には左ふくらはぎの違和感で故障者リスト入りするなど満足な成績は残せなかったが、ロ軍首脳陣は米10球団目となる豊富な経験と、日本人メジャーのパイオニアとなった強じんな精神力に懸けた。

 野茂獲得の背景には新たに日本市場を開拓しようという狙いもある。今オフはヒルマン監督、薮田と日本球界から“新戦力”を次々と獲得。球団関係者は野茂の将来的なフロント入りの可能性も示しているという。また同じ団野村氏を代理人とする薮田のアドバイザー的な役割にも期待している。

 カラカスと契約解除した野茂はすでに帰国。国内で体を動かし、勝負のキャンプに備えている。最終登板となる予定だった昨年12月28日の試合は風邪による体調不良で回避したが、現在は回復。痛めていた右ひじも06年に手術し、懸命のリハビリで完治している。本来の投球が戻れば、4年連続地区最下位のロ軍では十分にメジャー昇格のチャンスはある。

 慣れないベネズエラでは2A、3Aの若手とともに汗を流し「もう一度メジャーに上がりたい」と何度も口にした。8月には不惑を迎えるが、投手・野茂の終着駅はまだ見えていない。ヒルマン監督だけでなく、世界中に「シンジラレナ~イ」と言わせる奇跡の復活劇で、新たなトルネード伝説をつくる。

 ≪メジャー昇格なら先発も≫ロイヤルズの先発ローテーションで現在当確なのは、エースのメッシュと昨季新人ながら12勝を挙げたバニスターの2人。3番手以降は安定感を欠く投手が多く、今春のキャンプで結果を残せば野茂にもチャンスはある。毎年各球団が呼ぶ招待選手(メジャー40人枠以外の選手)は20~25人。しかし開幕メジャー(25人)入りするのは1人か2人と状況は厳しい。開幕にロースター漏れした場合は、マイナーで昇格の声がかかるのを待つか、他球団へ移籍する方法もある。最近では06年にドジャース・斎藤、昨季はパイレーツ・桑田が招待選手でキャンプに参加しており、2人ともシーズン途中に昇格を果たしている。

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2008年1月5日のニュース