日本ハンドボール協会副会長解職の葦原氏「誰も来たいと思わない」現状に危機感

[ 2023年4月19日 16:02 ]

日本ハンドボールリーグ理事会後に取材に応じる葦原一正代表理事
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 日本ハンドボールリーグ(JHL)の葦原一正代表理事(45)が19日、東京都内で開かれた理事会後に取材に応じ、今月8日に日本ハンドボール協会の副会長から解職された件について、「解職理由が明らかにおかしい。処分内容は事実無根であり、プロセスにも大きな問題がある。スポーツ仲裁機構への提訴を検討している」と表明した。

 21年4月にJHLの初代代表理事に就任した葦原氏だが、新リーグ構想をめぐって日本協会や一部のチームと意見が対立。今月8日の日本協会臨時理事会で、リーグ内でコンプライアンス違反が確認された問題について監督責任や再発防止策を怠ったとして、副会長職からの解職が決議された。

 すでに自身のSNSを通じて処分への不服や提訴検討を表明していた葦原氏は、8日の解職決定後も日本協会が正式発表せず、3日後に協会ウェブサイトの役員名簿を更新したのみにとどまったことに「これだと解職か辞任なのかも分からない。ちゃんと説明しないといけないこと。この課題は重い」と日本協会の情報公開への姿勢を批判した。

 バスケットボールのBリーグで初代事務局長を務めた経歴を持つ葦原氏は、日本協会の湧永寛仁会長に請われ、新リーグ立ち上げに向けてJHLの初代代表理事に就任。だがリーグによる収入の一括管理(シングルエンティティ)などの改革案が一部チームに受け入れられず、当初はジークスター東京や湧永会長が社長を務める湧永製薬といった有力チームが参入を見送る分裂状態に。最終的に収益戦略の見直しや参入審査を廃止し、現行リーグの全チームが来年9月開幕の新リーグに参加することが決まっている。

 6月末の任期満了までJHL代表理事を務める予定の葦原氏は、一連の経緯を受けて「解職は変えられないと理解している。ただ今後ハンドボール界が発展するためには、ちゃんと説明するプロセスは大事」と指摘。「会長から請われて来て、結局変えられません、その後に処分をするわ、解職をするわで、これを見たら(外部からハンドボール界に)誰も来たいと思わない。問題提起したい。(副会長職に)戻せと言うつもりはない」と語気を強めた。

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2023年4月19日のニュース