「大の里」中村泰輝 稀勢魂受け継ぐ博多帯締めて… 夏場所デビューへ身支度着々

[ 2023年4月19日 04:45 ]

師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)から譲り受けた博多帯を見せる中村泰輝(撮影・前川 晋作)
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 大相撲夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)の新弟子検査が18日、両国国技館で行われた。2年連続アマチュア横綱で3月に日体大を卒業した中村泰輝(22=二所ノ関部屋)ら、受検した5人全員が体格基準(身長1メートル67、体重67キロ以上)をクリアした。内臓検査の結果を待って夏場所初日に合格者が発表される。

 中村はこの日初めて着る着物に1メートル92、177キロの巨体を包み、力士の風格を漂わせた。「いよいよだなという気持ちでいっぱい。本当にお相撲さんになったんだな」と実感を込めた。幕下10枚目格付け出しでデビューのため、新弟子ながら幕下以上の力士に着用が認められる絹の博多帯を締めた。帯の端には「稀勢の里」の文字。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が現役時代に使用していた物を譲り受けた。

 師匠からのプレゼントは、大きな期待の表れ。「荷が重いですけど頑張りたいなと思います。見られている存在なので変な緊張もしました」。横綱のしこ名が入った物の重みと責任を感じ、帯とともに気持ちもしっかりと引き締めた。

 4月から部屋での稽古を本格的に始めた。「今までは学生だったので授業とかもあったけど、今は相撲が職業」とプロ意識を高めた。都心から遠く、設備が充実した茨城県阿見町の環境が部屋選びの決め手。「遊びたいという欲望を捨てて頑張っています。休んでいる暇はない。一日も早く関取に上がりたい」。稽古以外の時間もトレーニングに励むなど、充実した日々を過ごしている。

 6日の入門会見で発表されたしこ名「大の里」は、師匠が現役時代に改名する時の候補に挙がっていたもの。「横綱や大関になる逸材」と絶賛される素質の大器は師匠から博多帯を譲り受け、その魂を継承していく力士人生の第一歩を踏み出した。

 ▽力士の服装 番付が上がるごとに力士が身に着けるものは立派になっていく。入門したばかりの力士は部屋支給の浴衣に足元も下駄。冬場は寒さが身に染みるが、関取になれば紋付きはかまや外套(がいとう)着用も許され、畳張りの雪駄を履ける。相撲協会によると「規定で定められてはおらず、幕下に昇進したら博多帯を贈られるなどの慣習が今日まで受け継がれている」という。行司の装束の生地、履物、持ち物などは規定で決められている。

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