アメフト さあ「3強」直接対決待つ終盤戦 関大の成長したメンタルに見た“勝つ”意識

[ 2022年10月26日 06:00 ]

関西学生アメリカンフットボールリーグ第5節   立命大-関大 近大ー関学大 ( 2022年10月30日    ヨドコウ桜スタジアム )

第77回甲子園ボウル
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 【ROAD TO 甲子園ボウル 12月18日決戦】帰ってきた秋が佳境を迎えた。王者・関学大、V奪回を狙う立命大、関大の「3強」が、それぞれ開幕4連勝。力強い歩みの中に、熱き闘志を秘めながら、直接対決の待つ終盤戦に突入する。

 3年ぶりに復活した通常リーグ戦。かつて当たり前だった風景は、学生フットボーラーの心に、新たな刺激と喜びを呼び起こした。

 「過去2年間と充実感が全く違う。2週間ごとに試合があると、課題を修正しながら、チームを固めていけるし、やっててホンマに面白いです」(関大RB柳井竜太朗主将)

 「たくさん試合ができると、それだけ成長できるし、楽しい。やりがいがあります」(立命大RB平松的)

 最上級生の2人は、プレーヤーとして成長期にあたる2、3年生をコロナ禍で過ごした。活動停止、練習制限、そして感染拡大の恐怖…。数々の困難に直面しながら、彼らは創意工夫の精神と、アメフトへの熱意、愛情を忘れず成長してきた。集大成の一年に懸ける思いは、おそらく過去の、どの学年よりも強い。

 全勝対決の先陣を切って、関大と立命大が顔を合わせる。1年前の対戦(西日本代表校出場決定T準決勝)では、立命大が1点差勝利。今年も戦力は互角と見る。大きな違いがあるとすれば、それは関大のメンタル面に違いない。柳井がこう証言した。

 「昨年までなら、関学大や立命大に口で勝つといっても、心では“向こうにミスが出たら、いけるかも”くらいに思っていた。今年は両方に勝つという意識とか文化が練習から生まれている」
 タクトを預かる磯和雅敏監督も、「1対1の勝負なら厳しい」と前置きしながら、視線を前に向けたまま続けた。

 「11対11の勝負で負けなければいい。うちがやるべきことをやれば十分に戦える。立命さんと関学さんに勝って日本一という目標を達成したい」

 09年に61年ぶりのリーグ優勝を成し遂げて以来、関大は「第3の男」に甘んじてきた。いつまでも引き立て役を演じるつもりはない。ランでもパスでも進めるQB須田啓太(2年)、今季ブレークのRB一針拓斗(4年)らタレント陣に加え、リーグ屈指の強さを誇る攻守ライン、速さとしぶとさを兼ね備えたLB、DBと戦力のバランスは取れている。2位と3位はノーチャンスの22年シーズン。真の強者を決める戦いは、例年以上に熱く、厳しい。(堀田 和昭)

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