彩香号泣…池に消えたリオ切符 最終Hに攻めて自滅ダボ

[ 2016年7月12日 05:30 ]

最終ラウンド、ホールアウト後のインタビューで涙を流す渡辺彩香

米女子ゴルフツアー全米女子オープン 最終日

(7月10日 米カリフォルニア州サンマーティン コルデバレーGC=6784ヤード、パー72)
 渡辺彩香(22=大東建託)の五輪切符が池ポチャで消えた。最終18番で第3打を池に入れてダブルボギー。76と崩れて通算4オーバーの38位に終わり、逆転でのリオデジャネイロ五輪出場を逃した。73で回った野村敏京(23=フリー)は通算1アンダーで11位。通算6アンダーのブリタニー・ラング(30=米国)がプレーオフの末、メジャー初優勝。五輪出場権は野村と大山志保(39=大和ハウス工業)が手にした。

 最終18番パー5の第3打、手に残った感触で悪夢を悟った。渡辺がウエッジで放った打球は「しっかり70ヤードぐらい打つつもりだった」が、65ヤード先のピンに届くことなくグリーン手前の土手に当たり池へ。逆転リオ切符が霧散する一打にしばらくその場を動けなかった。

 「最後はリオというものを意識したプレーで…。今まで味わったことのない感覚だった。ここまで来たのにリオに行けなくて残念」

 最終ホールのダブルボギーで逸したと言っていい五輪出場。涙が止まらなかった。世界ランクで大山を上回るには、関係者の試算では31位以上と見込まれていた。だが、コース内では上位選手以外はなかなか明確な順位が分からない。「パーならちょっとの差でリオに行けないかもしれないという思いがあった。ちょっとの差で行けないのは悔しいし、絶対大丈夫と思えるスコアにしたい」とバーディーを狙って最後、手前のピンを狙った。結果的に最終ホールがパーだったら26位。五輪出場が決まっていたが、攻めた結果、自滅した。

 初日の出遅れから2日目、3日目はアンダーパーで並べカムバック。この日も出だしはまずまずだったショットが不安と重圧から左右にぶれ始め、9番でダブルボギー。11、14番もボギーと後退しかけながら、15番はバンカーから1メートル弱に寄せ、16番はグリーン手前の花道から15メートルほどをパターでねじ込み連続バーディーを奪取した。だからこそ悔やみきれない72ホール目のミスとなった。

 猛烈な重圧を感じ、戦った4日間。「きっとこれは4年後の五輪に生きると思う。この悔しさを忘れずにやっていきたい」。26歳で迎える東京五輪。4年後は必ず、悔し涙をうれし涙に変える。

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2016年7月12日のニュース