遼 初の日本タイトル王手 10バーディー63で単独首位!

[ 2015年12月6日 05:30 ]

6番、紅葉を背にパットのラインを読む石川

男子ゴルフツアー 日本シリーズJTカップ第3日

(12月5日 東京都稲城市 東京よみうりカントリークラブ=7023ヤード、パー70)
 初の日本タイトルに王手をかけた。首位タイから出た石川遼(24=CASIO)が10バーディー、3ボギーでこの日のベストスコアで自身としても今季最少の63をマーク。10月から取り入れたルーティンも駆使して通算11アンダーの199まで伸ばし、単独首位に立った。3打差の2位に小田孔明(37=プレナス)が続いている。

 3メートル前後のバーディートライがことごとくカップの底を叩く。そのたびに沸く地鳴りのような歓声と拍手を石川は心地よさそうに浴びた。重ねたバーディーは全部で10個。1ラウンドにおける2桁バーディーは当時世界最少の58ストロークをマークした10年中日クラウンズ最終ラウンドの12個以来、自身2度目だ。バーディーショーを演じた主役は「ショットでもパットでもバーディーを取った。良いゴルフができた」と納得の表情を見せた。

 圧巻は後半の10番だった。前半は巧みなアイアンショットのスピンコントロールでバーディーを量産したが、このホールのピンは2段グリーンの奥に切られていた。バックスピンをかければ傾斜でボールが下の段に転がり落ち、難しいロングパットを残す可能性もある。そこで「あえてスピンをかけず、低い球でピンまで突っ込んだ」と、残り140ヤードの第2打をPWでピンそば30センチに刺してバーディー。会心の一打に「完璧ですね」と胸を張った。これには同組の小田も「素晴らしいですよ。1Wも振り抜くし、アイアンも切れている」と舌を巻いた。

 10月の米ツアー、シュライナーズホスピタル・オープンからショットを打つ前のルーティンに深呼吸を取り入れた。息を2秒吸って6秒吐く間にショットのイメージを固めてしまい、アドレスに入ってからは無心でクラブを振るというもの。優勝した9月のANAオープンでさえも「ダウンスイングなんかをあれこれ考えてしまった。SWすらピンに向かって飛ばず、特にショートアイアンで苦しんだ」と言うが、この日は「ショットはほとんど完璧」と合格点をつけた。無駄をそぎ落としたシンプルな思考がゴルフに好影響を及ぼしている。

 2位とは3打差。「いまのスイングは自分にできるベストだと思う。あすも自分との闘いだと思うし、状況的にはちょうどいい」。ホールアウト後の会見場では何度も「無心」というフレーズを繰り返した。自分との闘いを制した先に、おのずと初の日本タイトルが見えてくる。

【石川の今大会メモ】

 ☆今季最少ストローク 63は自身の今季最少ストローク。カシオ・ワールドオープン第2日の65を更新。過去の日本シリーズでは10年第2日の62が最少。

 ☆今季最多バーディー 10バーディーは今季自己最多。過去最多は10年中日クラウンズ最終日の12バーディー。2桁バーディーもその時以来で自身2度目。

 ☆3日連続60台 3日連続60台は優勝したANAオープン以来今季2度目。日本シリーズでは08、11、12年に続き4度目。なお日本シリーズでは4日間とも60台で回ったことがない。

 ☆単独首位で臨む最終日 単独首位で最終日を迎えたことは過去9回あり、そのうち6回は優勝。2位に2打差以上つけた単独首位だった最終日は過去4回あり、全て優勝している。

 ☆日本タイトルでの首位 日本プロ、日本ツアー選手権、日本オープン、日本シリーズの日本タイトルでの単独首位は09年日本オープン第3日(最終成績は2位)以来2度目。11年日本シリーズ第2日(同3位)と今大会第2日に首位タイになっている。

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