白鵬、大丈夫?7日連続出稽古…オーバーワーク心配の声

[ 2015年9月9日 05:30 ]

木瀬部屋の出稽古で常幸龍を寄り切る白鵬

 大相撲の秋場所(13日初日、両国国技館)で36度目の優勝を狙う横綱・白鵬(30)が8日、東京都墨田区の木瀬部屋に出稽古した。所属の宮城野部屋が耐震性の問題が生じて土俵が使えなくなったため、これで7日間連続で“外出”して稽古。現時点で通常よりも明らかに稽古量が多く、周囲からは横綱の疲労を心配する声すら漏れてきている。

 耐震性の問題で所属部屋では稽古ができない。そのため、白鵬は秋場所に向けて2日から外に出て調整する日々が続いている。浅香山部屋、時津風部屋、両国国技館(横審稽古総見)、伊勢ケ浜部屋2日間(一門連合稽古)、友綱部屋と渡り歩き、この日、横綱が選んだのは木瀬部屋だった。約1年ぶりの出稽古先で臥牙丸、英乃海、常幸龍と胸を合わせて15勝5敗とまずまずの動きを見せ「攻めと守りの両方を合わせた。本当に稽古をしたという感じ」と充実した表情。その姿は、まるで“放浪生活”を楽しむ旅人のようだった。

 ただ、明らかにいつもと違う調整法だけに周囲からは「早く仕上がり過ぎているのでは」と心配の声も。これまでは初日1週間前まで宮城野部屋で幕下力士らと胸を合わせて調整し、最終週の月曜日からの4日間の出稽古で仕上げるのが慣例だった。だが、今場所前は2週前から外に出て関取と積極的に稽古。最高位の綱を張る立場だけに、わざわざ他の部屋に足を運んでおいてその部屋の関取と稽古をしないわけにはいかないのだろう。

 しかも、8月の夏巡業でも連日のように土俵に上がって関取衆と稽古していた。白鵬は「巡業の初日に関取衆の前で“長く巡業が続くのでなるべく稽古をしましょう”と言っちゃったので、言葉だけでなく行動で示した」と振り返る。場所間は稽古をし過ぎないことがスタイルとなっていただけに、横綱本人も「ゼロから体をつくるのではなくて、1か2からつくる感じ。体にも張りがあるので、親方からは“少し休んだ方がいいよ”と言われた」と苦笑い。期せずして稽古をし過ぎてしまう状況になったことは、白鵬にとって果たして吉と出るか凶と出るか――。

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