初出場ヘンプヒル逆転女子七種女王!やり投げで自己ベスト

[ 2015年7月6日 05:30 ]

走り幅跳びで豪快ジャンプを見せるヘンプヒル

陸上日本選手権混成競技最終日

(7月5日 長野・長野市営陸上競技場)
 女子七種競技はヘンプヒル恵(19=中大)が5622点で初出場初優勝を果たした。4月に日本歴代3位の5678点をマークした力を発揮し、2連覇中の桐山智衣(23=モンテローザ)に86点差を付けた。8月の世界選手権(北京)の代表選考会を兼ねており、男子十種競技は右代(うしろ)啓祐(28=スズキ浜松AC)が8058点を出し、6連覇で代表を決めた。

 初Vの原動力になったのはやり投げだ。ヘンプヒルが1投目にマークした47メートル88は、自己ベストを5メートル22も上回るもの。参加選手トップの記録で首位・桐山に肉薄。続く最後の800メートルで桐山に約8秒差を付ける3位に入り、逆転勝ちした。

 「あの一投は自分でも何があったのか分からないです。でもあのおかげで800メートルも頑張れて優勝につながりました」

 試合が続き、やり投げの練習をほとんどしていなかった。ただし、いいイメージはあった。1週間前の日本選手権。男子やり投げ優勝の新井のフォームを見てヒントをつかんだ。新井のようにやりを顔にピタっと付ける感覚で放ると、819点を叩き出す大遠投になった。自己記録だった42メートル付近ならば700点前後しか得られなかっただけに、この一投が初出場初優勝に大きく貢献した。

 京都府出身でイントネーションは関西弁。今年から中大に進み、「(洗濯や食事など)お母さんが“めんどくさい”と言っていた意味が分かった」と、親元を離れる生活に手を焼きながら競技を続ける。世界陸上の参加標準記録6075点は遠かったが、20年東京五輪へ米国人を父に持つ“京女”は確実に前進している。

 ◆ヘンプヒル恵(へんぷひる・めぐ)1996年(平8)5月23日、京都府京田辺市出身の19歳。京都文教中で本格的に陸上を始め3年時に四種競技で全国制覇。京都文教高2、3年時に高校総体の七種競技で優勝。1メートル67、58キロ。

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