遼組アジア初連覇へショット微妙もショートゲームで1勝

[ 2013年12月21日 05:30 ]

第1日、4番でラインを読む石川遼。左は同組の藤田寛之

男子ゴルフ ロイヤル・トロフィー第1日

(12月20日 中国・広州 九竜湖GC=6968ヤード、パー72)
 欧州とアジアの団体対抗戦が開幕した。第1日は2人1組で1つの球を交互に打つフォアサムが行われ、石川遼(22=CASIO)は藤田寛之(44=葛城GC)と組んで、ニコラス・コルサールツ(31=ベルギー)、ベルント・ビースベルガー(28=オーストリア)組と対戦。相手に一度もリードを許すことなく、3&2で勝利。アジア代表は3勝1敗で3―1として大会初の連覇に弾みをつけた。

 3アップして迎えた16番。石川は6メートルのバーディートライをわずかにショートさせたが、パーが確実となった。ボギーパットを残していた相手はボールを拾い上げ、2ホールを残して勝利を手にした。グリーンで歩み寄る藤田に手を出し、互いの胸元でがっちり握手。「チームが勝つことが一番。勝ち越せて良かった」。重圧から解放された石川に笑顔が広がった。

 普段はダンロップのボールを使用するが、この日はペアで同じボールを打つため藤田のものを採用。タイトリストのボールは中2まで使用しており「良い感じで打てた」と違和感なくプレーできた。1番で相手のミスもありパーでリードすると、3、7番のパー3では藤田がそれぞれ3メートルにつけたバーディーチャンスを沈めリードを広げた。12、13番は連続で相手に取られ中国人ギャラリーからは「あいや~」とため息。嫌なムードが漂ったが「逆に気合が入った」と14番で互いにバーディーで分け合うなど逆襲にも耐え抜いた。主将のY・E・ヤン(韓国)からは「グリーンは見た目以上に曲がる」とアドバイスをもらい、難グリーンの攻略につなげた。

 プレー後の会見では英語で「I just made a couple of patt(いいパターを2回決めた)」と胸を張った。先週のタイ選手権は2日目に首を捻挫してフルスイングできなくなったが、アプローチとパターでカバーし、初日70位から最終日は15位まで順位を上げた。かつてはショットの精度を欠けば結果を出せずに終わることが目立ったが、調子が悪いなりにショートゲームでスコアメークできるよう「幅」も広がった。この日も得意のショットは鳴りを潜めたが、グリーン上で穴埋めして勝利に貢献した。

 初日は欧州代表を2点リードして初の連覇へ好スタートを切った。だが、過去5度の出場経験がある石川には油断はない。「あす終わって最低でもリードして最終日に臨みたい」。そう言って22歳は表情を引き締めた。

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2013年12月21日のニュース