エディーHC 軽い脳梗塞の兆候、代表強化への影響懸念

[ 2013年10月17日 06:00 ]

エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ

 日本ラグビー協会は16日、日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、53)が15日夜に軽い脳梗塞の兆候を発症し、東京都内の病院に入院したと発表した。詳しい症状や全治などは不明。この日は11月2日のニュージーランド戦(秩父宮)と同3日からの欧州遠征の代表メンバー32人が発表されたが、ジョーンズHCが指揮を執れるか微妙な情勢で、今後の代表強化への影響が懸念される事態となった。

 晴れの代表32人を発表するはずの会見が、沈んだ空気に包まれた。ジョーンズHCに代わり出席した日本代表の岩淵健輔GMは「きのう、出張から帰って調子が悪いということで自分の足でタクシーに乗り、病院に行った。脳梗塞の兆候があるということ」と説明した。

 この日は精密検査を受け、結果は後日発表される。同GMは「家族の方とはコミュニケーションが取れている。今の段階ではニュージーランド戦を含めて(指揮を執ることを)前向きに考えている」と明言。17日後に迫った大一番で復帰するとの見通しを語ったが、重症化すれば死に至る病だけに、検査結果次第では長期休養を強いられる可能性も否定できない。

 オーストラリア出身のジョーンズHCは、95年に初来日し、日本代表のフォワードコーチに就任。01年には母国の代表HCに就任し、03年W杯では準優勝に導いた。サントリー監督を経て11年12月に日本代表HCに就任し、今年6月には世界ランキング5位のウェールズ代表を破る大金星。15年のW杯イングランド大会へ向けて、岩淵GMは今回のニュージーランド戦に「強化の方向性が正しいかどうかを評価するマッチ」と期待を寄せてきた。また世界のラグビー界に顔が利き、強豪国との対戦実現で影響力を発揮してきた指揮官だけに離脱は大きな損失だ。

 体調不良の中、前夜までにメンバー32人の絞り込みを行ったジョーンズHCは、協会を通じて「現時点でのベストメンバー32名を選出しました。(中略)日本代表として新たな歴史をつくっていきます」とのコメントを発表した。「日本人だけの代表」を標榜(ひょうぼう)しジャパンを強化してきたカリスマ指揮官。今シーズンの集大成となる一戦で不在の影響は計り知れない。

 ≪大橋アナは8カ月で復職≫脳梗塞は脳の血管が詰まることで、脳の組織が部分的に壊死(えし)し、さまざまな症状や障害をもたらす病気。最近ではテレビ東京の大橋未歩アナウンサーが今年1月に34歳(当時)の若さで軽度の脳梗塞と診断されたことを公表し、療養約8カ月を経て9月に復職。歌手の西城秀樹、タレントの麻木久仁子らも、脳梗塞を乗り越え復帰している。

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2013年10月17日のニュース