東京五輪組織委トップに森元首相 安倍首相が就任要請へ

[ 2013年10月11日 11:42 ]

 安倍晋三首相が2020年東京五輪開催に向けた準備を総括する大会組織委員会会長に森喜朗元首相(76)を充てる方向で調整していることが11日、分かった。首相周辺や自民党幹部が明らかにした。政財界を含めオールジャパンで準備に取り組む狙い。首相側の水面下での就任打診に森氏は回答を留保している。近く、首相は森氏と会談し、正式に要請する見通しだ。最終的には東京都や日本オリンピック委員会(JOC)と協議して決定する。会長には財界からの起用が有力視されていた。

 森氏は東京五輪招致委員会の評議会議長を務め、各国に東京への投票働き掛けの“交渉”役を担った。各国首脳らとの人脈があり、協力が得やすいことからも組織委員会会長に適任だと判断した。

 猪瀬直樹都知事は11日、取材に対し「人選は安倍首相がやるわけではなく、ぼくのところでやる」と否定した。

 国際オリンピック委員会(IOC)は東京開催が決まった9月、JOCに対し、5カ月以内に組織委員会を設置するよう指示していた。100人規模の陣容でスタートし、大会直前には3千人規模になる見通し。

 森氏は文相や通産相、自民党幹事長などを経て2000~01年に首相を務めた。1969年から衆院議員に連続14回当選し、昨年の衆院選に出馬しなかった。

 64年の東京五輪では安川電機社長を務めた安川第五郎氏らが組織委会長を務めた。開催資金の確保が重要な仕事となったのが人選の背景とされる。今回は既に東京都が4千億円の大会開催準備基金を用意しているため、関係者の間では「財界にこだわる必要はないのではないか」との意見が出ていた。

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2013年10月11日のニュース