日馬富士 豪栄道にアドバイス「とにかく前に出ろ」

[ 2013年5月8日 06:00 ]

出稽古で横綱日馬富士(右)に胸を借りた豪栄道(左)

 大相撲の横綱・日馬富士(29=伊勢ケ浜部屋)が7日、前日に続き2日連続で千葉県松戸市の鳴戸部屋に出向き、同じく出稽古に来た関脇・豪栄道(27=境川部屋)に「とにかく前に出ろ」などとアドバイスを送り、激励した。自身は先場所9勝6敗と苦しみながらも、大関候補No・1に対して懐の深さを示した横綱が真価の問われる夏場所(12日初日、両国国技館)に向け、充実の稽古をこなした。

 2日続けて鳴戸部屋で出稽古を行う日馬富士の前に予期せぬターゲットが現れた。関脇を7場所連続で務める豪栄道で、こちらも同じく出稽古にやって来た。横綱の本来の目的は「全力を出すから大好き」と言う大関・稀勢の里と胸を合わせることだったが、その稀勢の里との7番を上回る9番を取った。

 境川部屋所属で大関候補No・1。だが、その技巧派の豪栄道に対し7勝2敗とスピードの違いを見せつけた。稽古終盤には「何かやろうと思うから前に出られないんだ。とにかく前に出ろ!まっすぐ自然に任せろ」と熱心にアドバイス。ぶつかり稽古でも胸を出した。

 先場所9勝6敗と苦しみ、夏場所も1桁勝利だと進退問題に発展しかねない日馬富士にとって、豪栄道の存在は脅威のはず。それでも「すぐ大関になれる」とハッパをかけたのは、下の力士を育てるという横綱の務めを果たそうとしている証だ。計28番で22勝。自身の状態については「あと2、3日で調子は上がってくる」と語った。あとは本場所で横綱としての威厳を見せるだけだ。

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2013年5月8日のニュース