親方株の買い取りなし正式決定 協会が一括管理へ

[ 2012年6月20日 06:00 ]

 公益財団法人認定を目指す日本相撲協会は19日、東京・両国国技館で全親方衆らで構成される評議員会と理事会を臨時で開き、金銭売買が問題視されていた年寄名跡(親方株)を協会が一括で管理する際、譲渡人に補てんの意味合いを含む特別功労金を支給しないことを正式に決定した。

 八角広報部長(元横綱・北勝海)は「協会のお金を分配することはおかしいという意見もあり、もう一回確認することになった」と説明。名跡売買が判明した場合には親方としての資格を剥奪するなどの厳罰を科す方向でまとまっているという。親方衆は既得権益を奪われる形になるが反発も少なく評議員会はわずか20分で終了した。

 背景には功労金受給を断念する代わりに後継者指名権を獲得した事情がある。新たな名跡所有を審議する資格審査会のメンバーも親方衆中心の構成で、現行と変わらない名跡取得を推し進められるという思惑が見え隠れする。監督官庁の文科省から再度、物言いをつけられる可能性もある。

 また理事会では、新制度上での最高決議機関である評議員会に出席する評議員を選任する選定委員会のメンバーに年寄会会長の井筒親方(元関脇・逆鉾)、岡部観栄監事、安田裕明主事の3人が決定した。残り2人は外部から登用する。公益財団法人への移行申請は当初目指した6月から7月以降にずれ込むことになった。

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2012年6月20日のニュース