電力不足、放射能の脅威…世界フィギュア“中止”

[ 2011年3月15日 06:00 ]

フィギュアスケート世界選手権の21日開幕断念の決定で、心境を語る村上佳菜子(右)と山田満知子コーチ

 国際スケート連盟(ISU)は14日、東京・国立代々木競技場で21日に開幕する予定だったフィギュアスケートの世界選手権を、延期または中止すると発表した。4月14日から横浜で開催される予定の国別対抗戦についても同様で、延期か中止かは今後決めるという。

 ISUからの連絡を受けた日本スケート連盟は、都内で緊急会見。鈴木恵一副会長は「日本側も(予定通りの開催は)難しいと連絡した。ISUの回答は仕方ない」と無念の表情を浮かべた。日本連盟側は11日の大震災発生直後からISUに状況を報告。同副会長は「決定的だったのは原発ではないか。電力不足はもちろん、放射能の話が世界に伝わっている中で、苦渋の決断だと思う」と説明した。

 ISU側は他国での開催は考えておらず、延期の場合は日本国内での開催を模索することになるという。だが、災害の規模が大きく、イベントそのものの規模も大きいため、現実的には早期の代替開催は厳しい情勢で、このまま中止となる可能性が高い。伊東秀仁フィギュア部長は「100%中止と決まったわけではないので、希望を捨てずに練習をおろそかにしないでほしい」と選手にメッセージを送るのが精いっぱいだった。

 ▼浅田真央 (震災の)深刻な被害の中、一人でも多くの人が無事でいられるよう本当に祈る気持ちで、あらためて命の尊さを考えている。選手としては(大会が)延期されても中止されても、今まで通り練習していこうと思う。

 ▼安藤美姫 今後の決定に従い、今季やってきたことを繰り返し練習するだけ。被災された方々を少しでも元気づける演技ができるように、しっかり練習しておくのが今の自分にできること。

 ▼村上佳菜子 初めてだから出たい気持ちもあるけど、今の状況だと、やらない方がいいのかなとも思う。いつやるか分からないと、気持ちの面でも大変。

 ▼高橋大輔 僕に今できることは、練習を続け、状況を見るということ。みんなでつくり上げる強い団結力で、この状況を乗り越えられればと思う。

 ▼織田信成 テレビで地震の様子を見ていて、試合をする状況じゃないかもしれないと思っていた。もし開催となれば、それに向けて練習を頑張りたい。

 ▼小塚崇彦 練習の合間にニュースを見て、恐怖を感じ、胸を痛めている。判断が出るまで、状況を見ながら粛々と準備するだけだと思う。

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2011年3月15日のニュース