“現職理事の愛弟子”千代白鵬も野球賭博…

[ 2010年6月21日 06:00 ]

05年1月、十両昇進が決まり、九重親方と握手する千代白鵬

 九重部屋の十両・千代白鵬(27)が、野球賭博への関与を認める上申書を日本相撲協会に提出していたことが20日、分かった。また、武蔵川部屋の元大関・雅山(32)も野球賭博に関与した疑いが浮上。相撲協会は21日に緊急理事会を開き、賭博に関与した協会員の実名公表や処遇などについて話し合うが、2人の師匠である現職理事の九重親方(元横綱・千代の富士)、武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)ら協会幹部の責任問題に発展する可能性が出てきた。

 角界を揺るがす野球賭博問題は、“将来の理事長候補”と呼ばれる九重親方の部屋にも及んでいた。警視庁は20日、野球賭博への関与を相撲協会に認めた29人について、前日に続いて一斉に事情聴取。九重部屋の関係者からも任意で事情聴取したもようで、その中で同部屋の十両力士・千代白鵬が野球賭博に関与したとの上申書を提出していたことが分かった。
 同日夜、師匠の九重親方は「日本相撲協会にすべてを一任しており、きょうは何もお話しできません。師匠として協会の理事として弟子の(千代)白鵬がご迷惑をおかけして、申し訳ありません」とのコメントを発表した。現役時代、優勝31回を誇る大横綱だった九重親方は審判部長も務める協会幹部。現職理事が親方を務める部屋でも、ついに野球賭博への関与が発覚した。
 千代白鵬は中学卒業後に入門した叩き上げだが、以前からギャンブル好きで有名だった。既に野球賭博を認めている幕内・豊ノ島らとは一緒のグループで、食事などをともにしていると言われている。昨年12月に結婚し、今年3月には長女が誕生。また、元幕内の露鵬、白露山らが陽性反応を示した08年9月の大麻に関する抜き打ち検査で、対象となった関取70人のうち、唯一欠席した力士だった。
 一連の野球賭博問題では、大鵬親方の娘婿で「大鵬道場」を継承した大嶽親方(元関脇・貴闘力)、双葉山が創設した時津風部屋の師匠・時津風親方(元幕内・時津海)らが関与を認める上申書を提出。名門部屋の相次ぐ不祥事に続き、今度は国民栄誉賞も受賞した千代の富士の愛弟子が野球賭博にかかわっていたとなれば衝撃度も大きい。相撲協会は21日に緊急理事会を開くが、名古屋場所(7月11日初日、愛知県体育館)の開催の是非とともに、協会執行部の責任を問う声が上がるのは必至だ。

 ◆千代白鵬 大樹(ちよはくほう・だいき=本名・柿内大樹)1983年(昭58)4月21日、熊本県山鹿市生まれの27歳。九州学院中では柔道部に所属したが、卒業後に九重部屋に入門。99年春場所で初土俵を踏んだ。幕内は6場所経験。夏場所は西十両3枚目で6勝9敗だった。1メートル80、138キロ。

続きを表示

2010年6月21日のニュース