ボルト“最も愛している”200メートルに高まる期待

[ 2009年8月20日 08:00 ]

 【世界陸上】ラスト50メートルからもう力を抜き、止まりそうになりながらゴールしても、20秒08は全体でトップのタイムだった。ボルトが歴然とした力の差を見せつけ、難なく準決勝を通過した。20日の決勝に残された関心は、北京五輪で出した19秒30の世界記録を塗り替えるかどうかに絞られた。

 可能性を聞かれた22歳の大型スプリンターは「さあね」とばかりに無言で肩をすくめて見せた。だが疲れが抜けたかの質問には「もちろんだよ」。9秒58の驚異的な世界新を樹立した100メートル決勝を含め、既に7レースを走っているが、不安要素は見当たらない。
 本人は口数が少なかったが、周囲の期待は高まるばかりだ。1990年代後半から世界選手権で男子100メートル3連覇するなど一時代を築いたモーリス・グリーン氏(米国)は「彼が最も愛しているのは200メートルで、100メートルは浮気の相手みたいなもの。200メートル決勝はすごい走りをするだろう」と期待した。
 決勝で一緒に走るライバルたちも勝負を度外視している感がある。アテネ五輪で金メダル、北京五輪は2位だったクロフォード(米国)は「19秒28」とボルトのタイムを予想した。(共同)

続きを表示

2009年8月20日のニュース