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辞意表明の静岡・川勝知事 訓示での不適切発言を陳謝「心を傷つけたのであれば心からお詫びを」

[ 2024年4月3日 15:39 ]

 6月の県議会で辞職すると表明した静岡県の川勝平太知事が3日、会見し、職業差別と取られかねない発言について陳謝した。

 会見では「新規職員として採用した職員への激励、励ましの言葉の中に、人々の心を傷つけるものがあったということ、厳しく受け止めております。私はまず、この間15年間、静岡県民の方に奉仕してきたことを大変光栄に思っております。私の人生における最高に充実した15年で会ったと思います。私と心を一つにしている、心を一つにしたいと思っている方々の心を傷つけたのであれば、特に第一次産業、農業、酪農、水産業、これはもっとも大事にしてきた産業でありますので、そういう方たちの心を傷つけたのであれば、誠に申し訳なく、心からお詫びをいたします」と謝罪した。

 川勝知事は1日、県の新規採用職員への訓示での発言が問題視されていた。

 「皆さん優秀ですから、なかなか思いを分かってくれない人がいるかもしれない。そういう時に情理を尽くすことが大切です。理屈では分かっていても、腹にストンと落ちない場合があります。ですからハート・トゥ・ハートで“心からこうすると本当に良い”というように言って差し上げるとストンと落ちる場合があります。ですから、情と理、情理を尽くして自分が正しいと思う信念を貫くことが大切です。そしてそのためには勉強、やっぱり勉強しなくちゃいけません。実は静岡県、県庁というのは、別の意味で言うとシンクタンクです。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたりとか、あるいは(物を)作ったりとかと違って、基本的に皆様方は頭脳、知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要があります。磨き方はいろいろあります。知性を磨くということ」

 この発言が「職業差別発言だ」と批判が殺到していた。

 川勝知事は2日午後6時すぎ、知事室前で約30人の記者に囲まれ取材対応。冒頭、自身の発言について差別の意図はなかったと釈明した。記者の質問に時折、首をかしげながら「人それぞれ受け取り方があると思う」「一部が切り取られている」「不適切ではない」などと持論を展開した。その後、「6月の議会をもってこの職を辞そうと思う」と、知事職を辞職することを表明した。

 川勝知事は2021年には同県御殿場市を「(特産は)コシヒカリしかない」とやゆし、県議会から辞職勧告決議を受けた。今年3月にも県内地域の文化水準を比べるような発言や、県内のサッカー強豪校について「ボールを蹴ることが一番重要。勉強よりもなによりも」などと述べ、県議会で苦言を呈された。昨年7月に県議会で不信任決議案が否決された後に「また不適切発言をすれば辞職する覚悟で職務にあたる」と述べていた。今年3月には、磐田市を拠点とする女子サッカーチームを前に「磐田というところは文化が高いんですよ。浜松よりもともと高かったわけでしょ」と、地域差別と取られかねない発言していた。

 また立憲民主党の渡辺周元防衛副大臣(衆院比例東海)が、川勝氏から事実上の後継打診を受けていたことを明かした。

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