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日大が薬物事件受け会見 林真理子理事長 自ら“お飾り”露呈…終始“不機嫌会見”

[ 2023年8月9日 04:30 ]

日大アメフト部薬物事件

 日大アメリカンフットボール部の3年生部員(21)が寮で覚醒剤と大麻を所持していた容疑で逮捕された事件で、同大の林真理子理事長らが8日、東京都千代田区の大学本部で記者会見を開き、一連の問題について説明した。植物片発見から10日以上たっての警視庁への連絡や、学内の情報共有のあり方など、疑問符が付きまくっている日大の対応。しかし、林氏は時に切れ気味に「適切」と反論。「お飾り理事長」との報道にも強い不快感を示した。

 林氏が冒頭の発言で謝罪後に真っ先に触れたのは、2日の「(違法薬物の発見は)一切ない」との発言だった。寮で植物片が見つかってから約1カ月。警察から成分確認の連絡がまだ来ていなかったとし「言葉足らずだった」と述べた。直木賞作家による釈明だからこそ納得しない記者から「言葉を生業(なりわい)にしている理事長の発言に違和感」と突っ込まれると、「ギリギリまで学生の潔白を信じたいという気持ちでいっぱいだった」と話した。

 マンモス大学をコントロール仕切れていない現状を認識しているためか、いらだちがにじみ出た会見だった。植物片発見から12日後に警視庁に連絡した経緯について、競技スポーツを担当する沢田康広副学長が「自首させるためだった」などと説明したのに対し、林氏は追随するように「私も納得した」「適切と考えている」とぶぜんとした表情。情報共有のあり方が疑問視されているが「学長に情報が上がり、精査され私に上がってくる」などと強調し「“お飾り理事長”との報道があった。とても残念だ」と語気を強めた。「隠ぺい」との疑念が広がっていることについても「非常に遺憾」と顔をこわばらせた。

 情報共有の問題は昨秋段階でも起きていた。昨年10月の保護者会後に、保護者から大麻使用の調査を求められ、聞き取りを実施。使用は確認できなかったというが、こうした情報は部長にとどまり、沢田氏には上がっていなかった。

 同11月には部員1人が、同7月に大麻とみられるものを吸引したと申告。警察関係者にも相談したが、物的証拠がなく厳重注意で終わった。大学側が把握したのは監督からの事後報告だった。

 林氏はこれらの大麻情報も「最近知った」と話した。昨秋段階で情報共有がなされ芽を摘んでいれば、今回の事件は防げたと指摘する声も出ているが、ここでも「(対応は)適切だった」と強弁した。

 アメフト部の悪質タックル問題に続き、相撲部出身の前理事長の脱税事件などで地に落ちた日大。林氏は昨年7月に母校の理事長に就任すると、あしき「マッチョな体質」改善に着手。就任1年を迎えた先月の会見では「(改革は)6合目」と表現していたが、体質改善は予想以上に困難を極めているようだ。

 2時間17分に及んだ会見の終盤、“体育会系”に「遠慮があった」と吐露。「しょせん私には分からない、口を挟んではいけないと考えていた。もっと積極的に行くべきだった」と後悔の念をにじませ、「文系とは違い、距離を置く心理が影響していた」と自らを分析。「一番重たい問題を抱えていたのがスポーツの分野だったと、皆さまからの質問から認識した」と述べた。今回の事件で図らずもメスを入れられない状況を露呈した林氏。“病巣”摘出までの道のりはどこまでも険しそうだ。

 《「きちんと連携している」強調》会見では「情報が沢田副学長で止まっているのでは?」との指摘もあった。林氏は「沢田先生は警察と連絡を取っていただいていたので、お話しできないこととか、お考えのこととかがいろいろあってのことだと思います」との見解を示した。その上で沢田氏や総務などとも「きちんと連携していることをここで申し上げたい」と強調した。

 ◇林 真理子(はやし・まりこ)本名・東郷真理子(とうごう・まりこ)。1954年(昭29)4月1日生まれ、山梨市出身の69歳。日大芸術学部卒。コピーライターを経て、82年エッセー集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」で作家デビュー。86年に「最終便に間に合えば」「京都まで」の2作で第94回直木賞受賞。ほか「不機嫌な果実」など。22年7月1日付で学校法人日本大学の理事長に就任。

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