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歓迎!歓迎!栄誉賞!エース上野至福の時

[ 2008年8月26日 06:00 ]

大勢の社員に囲まれながら金メダルを掲げる(左から)三科、上野、乾、峰のルネサス高崎4戦士

 【北京五輪・ソフトボール】鉄腕は五輪が終わっても休みません!北京五輪で悲願の金メダルを獲得したソフトボール日本代表のエース上野由岐子(26)らルネサス高崎勢4人が25日、拠点のある群馬・高崎市に凱旋。会社、高崎市から歓迎を受け、9月のパレードも決まったが、午後から訪問した前橋市の群馬県庁では県スポーツ特別栄誉賞の授与を伝えられる祝福ラッシュ。金メダルの熱狂が冷めない中、上野は9月6日から再開する日本リーグ(スポニチ後援)でもフル回転する意欲を見せた。

 朝8時10分とは思えぬ熱気に、上野の目も一気にさえわたった。上野ら4選手が所属するルネサステクノロジ高崎事業所での凱旋式。始業前20分間の慌ただしい時間帯に、従業員の約4分の1にあたる500人が詰めかけた。太鼓を使った応援部によるエール。ソフト部員や社員からの「ありがとう」「お疲れさま」の声。テレビ出演をこなしてから前夜に高崎市内に戻ったばかりで、睡眠時間は3時間ほど。それでも、熱烈な歓迎に鉄腕の魂は早くもうずいた。
 「リーグ戦に向けて調整していきたい」。決勝トーナメントの3連戦で413球を投げ抜いたのは、わずか4日前。皮が破れた右手の指はまだ完治していないが、早くも9月6日に再開するリーグ戦、シオノギ製薬戦(北海道・石狩)での登板に意欲を見せた。
 それだけではない。チームメートと目標に掲げるリーグ戦、国体、全日本総合選手権の「3冠」への情熱も忘れてはいない。11月上旬までの3カ月で約20試合。上野見たさにチケットを購入したファンの気持ちに応えるように、五輪に続いての大車輪を誓った。
 金メダルの反響は想像以上だった。ルネサステクノロジは、五輪前から決まっていた報奨金の贈呈をあらためて明言。太陽誘電の2人と合流して、午後0時30分から行われた高崎市庁舎訪問では、松浦幸雄市長から「駅から市庁舎までの凱旋パレードを考えています。市として大いに盛り上げたい」と9月中旬以降のパレード開催プランが発表された。8年前のシドニー五輪後のパレードには2万人が集まったというが、市広報は「集まる人数は予測不能」と空前の規模になることを想定している。
 さらに、前橋市に移動し、午後2時からは群馬県庁での金メダル報告会に参加。今度は大沢正明知事から「選手には県スポーツ特別栄誉賞を、ルネサス高崎と太陽誘電には県スポーツ功労賞を贈りたい」と明かされた。県関係者によれば、上野らが訪問する前の午前中に知事が急きょ発案したといい、ノルディックスキー複合の第一人者、荻原健司氏が93、94年に授与されて以来の特別栄誉賞贈呈となる。
 地元に戻り、あらためて金メダルの重みをかみしめた上野は「ここが自分が帰ってくる場所だと感じた。金メダルを持ってこられた。それが一番の成果。自分がやってきたことを評価してもらえたのがうれしい」と話した。祝福ラッシュを終え、今度は日本のマウンドで雄姿を見せる上野。ソフトボール熱は、しばらく続きそうだ。

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2008年8月26日のニュース