【函館記念】1番人気ローシャムパーク重賞初制覇 横綱相撲で突き抜けた

[ 2023年7月17日 05:30 ]

<函館11R・函館記念>見事な差し切りを決めたローシャムパークとルメール(撮影・千葉 茂)
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 夏の函館最終日を飾る名物ハンデ重賞「第59回函館記念」(サマー2000シリーズ第2戦)が16日、函館競馬場で行われ、中団を追走した1番人気ローシャムパークが外から豪快に突き抜け、重賞挑戦2戦目で初Vを達成。1番人気の優勝は19年マイスタイル以来でのべ16頭目。荒れると定評のある重賞だが2着に4番人気ルビーカサブランカ、3着に2番人気ブローザホーンが入り、堅めの決着となった。

 堂々の1番人気を背負い、ローシャムパークが横綱相撲を演じた。最初の1角まで、外から各馬が入れ替わり寄せて来るタイトな展開。しかし、残り5F手前で視界が開けてからは独壇場。3~4角で悠々と外を回し、直線半ばで前団をひとのみ。2着争いを尻目に2馬身差。完璧なまでの重賞初V劇だ。

 昨年9月セントライト記念(3着)以来の騎乗となったルメールは「ミドルポジションに行けました。冷静に走ってくれたので、3、4コーナーから彼のいい脚を使うことができた。結構早めに安全に抜けました。こういう馬場(やや重)でも凄くいい反応。お客さんの応援でゴールまで頑張ってくれました」と1万4000人の観衆に感謝した。

 田中博師は「先行馬が結構いて、1コーナーでも外から来られて、イレギュラーな展開。一瞬難しい面は見せたが、そこからはリズム良く走ってくれた。自信を持って乗ってくれて、非常にいい内容でした」と鞍上の好プレーを称えた。

 常々温めていた函館参戦だった。3歳の昨年4月、中山の山藤賞で7馬身差の大楽勝。「あの中山の1勝クラスを勝った時がやや重の発表以上に悪い馬場。東京の広いコースも合いますけど、小回りのこういう馬場は向くと思って連れてきた。選択肢が広がる収穫のあるレースでした」

 昨秋のセントライト記念ではガイアフォース、後の菊花賞馬アスクビクターモアに続いた実績馬。3勝クラスの前走・むらさき賞を勝ったばかりの昇級初戦だが、ファンの熱い支持は正しかった。鞍上は「4歳ですが大きな馬なのでだんだんと強くなってきました。伸びしろがあります」とさらなる進撃を約束した。

 田中博師は「一戦一戦消耗が激しい馬。今回はこの馬としてはかなり強めの調教を課したので、パドックのイレ込みもいつもと違いました。今後は札幌記念(8月20日)も含め、オーナーサイドと相談して考えたい」と次走は保留したが、サマー2000シリーズ続戦の含みを持たせた。夏王者を狙うのか?実りの秋に備えるのか?3代母エアグルーヴの血を引き継ぐ良血が、はるばる来た初めての函館で大きな収穫を得たのは間違いない。

 ◇ローシャムパーク 父ハービンジャー 母レネットグルーヴ(母の父キングカメハメハ)19年2月10日生まれ 牡4歳 美浦・田中博厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績9戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億1019万7000円 馬名の由来はイギリスの風景式庭園。

 《記録アラカルト》
 ☆騎手&調教師 ルメールのJRA重賞勝利は宝塚記念(イクイノックス)以来で今年10勝目、通算139勝目。田中博師はフェブラリーS(レモンポップ)以来で今年3勝目、通算も3勝目。
 ☆種牡馬 ハービンジャー産駒は延べ9頭出走で初勝利。JRA重賞はフラワーC(エミュー)以来で今年4勝目、通算36勝目。
 ☆関東馬 21年トーセンスーリヤ、22年ハヤヤッコに続き3年連続勝利。通算では関東馬31勝、関西馬28勝。
 ☆サマー2000シリーズ 函館記念の勝ち馬は12年トランスワープ、13年トウケイヘイロー、15年ダービーフィズ、21年トーセンスーリヤの4頭が同シリーズを制覇している。

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