【ヴィクトリアマイル】スタニングローズ95点 まるで芍薬のような優美な立ち姿 華麗に変身、花盛り

[ 2023年5月9日 05:20 ]

鈴木康弘氏「達眼」馬体診断

<ヴィクトリアマイル馬体診断>スタニングローズ
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 古馬女王の座を射止めるのは春の花のように美しい立ち姿だ。鈴木康弘元調教師(79)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第18回ヴィクトリアマイル(14日、東京)ではスターズオンアース、ソダシと共にスタニングローズをトップ採点した。達眼が捉えたのは芍薬(しゃくやく)のようにすらりと背丈を伸ばしたローズの成長力。採点上位馬を春に咲く芍薬、牡丹(ぼたん)、百合の花になぞらえながら解説する。

 ♪立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花…。美人の姿やたたずまいを花の優美さに見立てた、はやり唄の有名な一節です。芍薬は今が花盛り。ゴールデンウイークにつくば市内の自宅から筑波山麓まで足を延ばすと、すらりと伸びたクキの先端に華麗な花が咲き誇っています。その凜(りん)としたたたずまいをヴィクトリアマイル出走馬の立ち姿になぞらえれば…。“魅惑のバラ”スタニングローズ。芍薬を想起させるスラリとしたシルエットのバラに進化しました。

 昨秋とは見違えるほど見事に抜けたキ甲(首と背中の間の膨らみ)。わずか数カ月のうちに背丈が伸びた印象を与えます。キ甲の盛り上がりに合わせて首差しがきれいに抜け、肩の筋肉も発達してきました。すらりと伸びた芍薬の姿形。見栄えだけではありません。3歳春当時から際立っていた胸前に見合った首、肩が備わったことで「運動連鎖」(各部位が波及し合う運動)がよりスムーズになる。4歳春を迎えての新たな進化です。

 姿勢も良くなった。昨年のエリザベス女王杯(14着)時にはトモを前踏みしたせいで詰まり気味の立ち姿。「ちょっとしたストレスが立ち方に表れているのかもしれない」と指摘しました。ところが、今回はトモを正位置に置き、のびのびと気持ち良さそうに立っています。すらりと伸びた芍薬のような端正な立ち姿です。

 レース間隔が2カ月半空いているためか、全体に少し余裕があります。それでも、この馬の最大の特長であるしなやかさは失っていません。各部位が滑らかにリンクした機能性にも優れた馬体。マイル~中距離に向きそうな短めの背中にしなやかさ、滑らかさが加われば、中距離戦からマイル戦に替わっても対応できるでしょう。顔つきがきつくなっていますが、マイルの速い流れに乗るにはきついぐらいのほうがいい。冬毛が見られたエリザベス女王杯時に比べて毛ヅヤも数段、さえています。

 ♪立てばローズ…と、口ずさみたくなる華麗なる変身。スタニングローズも今が花盛りです。(NHK解説者)

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