【京都記念】エフフォーリアと横山武史「本来の走り」取り戻せるか

[ 2023年2月10日 05:00 ]

横山武騎乗のエフフォーリア
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 【競馬人生劇場・平松さとし】

 「最初に見た時から大きくて立派だと感じました」

 2019年、1歳だったエフフォーリアとの初対面をそう回顧するのは、管理する鹿戸雄一調教師。その後については次のように語る。

 「2歳で入厩した当時は体質面で弱いところがあったので、間を空けながら使いました」

 結果、20年8月のデビューから翌年2月の共同通信杯(G3)まで3連勝。さらに続く皐月賞(G1)も制し、無敗のクラシックホースとなった。

 「最初は行きたがる面があったけど、すぐに折り合いを覚えて上手に走れるようになりました。皐月賞の時も落ち着いていて、強い競馬をしてくれました」

 その後、ダービー(G1)こそ2着に敗れたものの、秋には天皇賞・秋(G1)と有馬記念(G1)で古馬を撃破。文句なしの年度代表馬に選定された。

 そんな名馬だが、4歳となった昨年は大阪杯(G1)で9着に敗れると、宝塚記念(G1)6着、有馬記念(G1)5着と本来の力を発揮できずに終わった。

 そのエフフォーリアが復活を期して今週末の京都記念(G2)に出走する。

 「本来の走りができるように、牧場や武史とも相談しながらやっています」

 「武史」と呼ばれたのは、デビューからここまで10戦全てでタッグを組んでいる横山武史騎手。同騎手の飛躍も後押ししたエフフォーリアだが、そもそも彼に依頼をしたのには鹿戸師との逸話があった。

 調教師になる前の騎手をしていた時代、鹿戸師は実の弟を事故で亡くしていた。その時、落ち込んだ鹿戸騎手を励まし、精神的な支えになってくれたのが武豊騎手や田中勝春騎手らジョッキー仲間。そして…。

 「ノリちゃんにも随分と助けられました」

 「ノリちゃん」とは横山典弘騎手のこと。そう、名騎手で、武史騎手の父親だ。

 「そんな経緯もあったので良い馬に出合えた際には、横山家への依頼を考えていました。そこへもってきて武史の成長が著しかったので、お願いしました」

 今週末、果たして復活なるのか。注目しよう。 (フリーライター)

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2023年2月10日のニュース