【神戸新聞杯】パラレルヴィジョン 3連勝へ“GO”快!ラスト1F11秒4、楽々と半馬身先着

[ 2022年9月22日 05:20 ]

併せて追い切るパラレルヴィジョン(左)(撮影・西川祐介)
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 中京日曜メイン「第70回神戸新聞杯(菊花賞トライアル)」追い切りは21日行われ、パラレルヴィジョン(牡3=国枝)がWコースで超抜の動き。底知れぬ2戦2勝の素質馬があっさりと菊花賞切符をもぎ取るか。

 その剛脚が底知れない潜在能力を顕示する。Wコースで超抜の動きを見せたのは2戦2勝パラレルヴィジョン。僚馬モーソンピーク(5歳2勝クラス)を2馬身追走。直線、並んだ2つの白いシャドーロールは内のパラレルヴィジョンが頭一つ分、下がった位置にある。父キズナをほうふつさせる重心の低い走り。5F66秒2~1F11秒4の好時計で楽々と半馬身先着した。

 これでWコースでは4週連続のラスト1F11秒台。あまたの名馬を手掛けてきた国枝師もその走りにぞっこんだ。「前を追いかける形。手応えが楽だったね。状態はいいし、雰囲気もいい。全体に体がしっかりしてメンタル面も落ち着いている。気になるところはないよ」。初の輸送、距離延長に質問が及んでも「心配ない」と泰然自若。メンバー最少のキャリア2戦についても「ルメールさんだからね」。経験不足は、先週のローズSで同じく2戦2勝サリエラを2着に導いた百戦錬磨の鞍上が補う。

 「これは相当いい馬だよ」。国枝師が入厩したてのパラレルヴィジョンを絶賛したのは昨春の話。当初はクラシック組の王道である6月の東京開催でデビューする予定だった。態勢整わず出走を見送り、初陣を迎えたのは3歳の4月。すでに全ての新馬戦が終了。牡馬クラシックが始まる1週前だった。「大事を取ってデビューは遅れたけど、今は心配するところはない」。スタートこそ大きく出遅れたが、他馬を一蹴した衝撃の2連勝でダービー出走馬たちと人気を分け合う位置まで一気に浮上してきた。

 古来、四肢のうち左後肢のみの一部分が白い「左後一白」(さこういっぱく)の特徴を持つ馬には名馬が多いと言い伝えられてきた。シンザン、シンボリルドルフ、オルフェーヴル。この列挙に、将来パラレルヴィジョンが加わるかどうかはさておき、稽古で同厩のG1馬アカイトリノムスメやサークルオブライフと渡り合ってきた脚力から、重賞初挑戦の壁は全く感じない。陣営の我慢が実る秋。無敗進撃はまだ止まらない。

 《歴代最少キャリア3戦目V狙う》神戸新聞杯の歴代最少キャリア優勝はトウフクホープ(75年)をはじめ9頭が記録した5戦。これまで2戦2勝のパラレルヴィジョンが勝てば、大幅に記録を更新することとなる。なお、鞍上のルメールは15年リアファル、16年サトノダイヤモンド、17年レイデオロ、19年サートゥルナーリアと近7年だけで同レース歴代最多の4勝を挙げており、馬主の(有)キャロットファームも同4勝で歴代最多勝馬主となっている。

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2022年9月22日のニュース