競馬は「馬と人」がいてこそ成り立つ

[ 2022年9月18日 05:00 ]

うまレター9月号では、馬産地ロケがまとめて記事に。ぜひ手に取っていただけるとうれしいです!
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 【六車奈々のナナイロ馬券】

 「岩手は馬産地だった」。何度も耳にしてきたが、百聞は一見にしかずだ。

 先月私は、馬産の盛んな岩手の中でも中枢的存在だった小岩井農場を訪れた。

 明治40年、小岩井農場は強い馬をつくるために約14万円で繁殖牝馬ビューチフルドリーマーや種馬など、外国馬21頭を購入した。今に換算すると約10億円。競馬が今ほど人気のない時代に、この投資は凄い。まさに情熱だ。

 「強い馬をつくるためには、国内で良い血統を保ち続ける必要がある」。この信念で馬づくりを続けてきた小岩井農場。

 大正時代の競馬が不遇な時も、その一心で血統を守り続けた。こうして繁殖馬たちが代をつなげていった昭和2年、イギリスからシアンモアを購入。

 シアンモアは、昭和初期の日本競馬をリードする大種牡馬になった。

 今、馬産の9割以上は北海道だ。「もう一回やってみたら?」。そんな話も出たが、今となっては馬を育てる技術者がいない。

 どれほどその人たちが大切だったかということ。競馬は「馬と人」がいてこそ成り立つのだと改めて教えられた。

 小岩井農場ロケは、YouTubeのNAR公式チャンネル「JBC2022×うまレターコラボ企画『新旧馬産地を訪ねて』第2弾」でぜひご覧ください。

 OROオータムティアラはマルルットゥを応援!3連単フォーメーションで(11)=(9)→(5)。各1000円で計2000円。

 ◇六車 奈々(ろくしゃ・なな)1973年(昭48)12月2日生まれ、京都府出身の48歳。グリーンチャンネル「岩手競馬Presents M'sTV」メインMC。

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