【函館記念】スカーフェイス ギアチェンジで完全仕上げ!橋田師JRA全10場重賞Vへラストチャンス

[ 2022年7月14日 05:30 ]

函館芝コースで岩田康誠騎手を背に追い切ったスカーフェイス(撮影・千葉茂)
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 函館開催を締めくくる2重賞の追い切りが13日、行われた。サマー2000シリーズ第2戦「第58回函館記念」は、大阪杯6着のスカーフェイス(牡6=橋田)が道悪の芝を苦にせず、単走で鋭い伸び。来年2月末で定年の橋田満師(69)は史上7人目となるJRA全10場重賞制覇へのラストチャンス。偉業達成の期待が膨らむ。

 12日夜から雨が降り続いた函館競馬場の芝コース。岩田康を背にしたスカーフェイスが公開調教で訪れた地元ファンの前で躍動した。序盤は従順に折り合い、スムーズに加速。5F67秒5~1F11秒6。軽く仕掛けたゴール前では反応良くギアをしっかり上げた。
 スタンドで見守った橋田師は穏やかに語った。「最後追って、動きは良かったです。栗東でもやってきたので、ちょっと体は減っているけど、良く言えば無駄なぜい肉が取れてガッチリ仕上がっています」

 3歳時は未勝利戦を勝った直後、ダービーTR・プリンシパルS(7着=10番人気)に挑んだ期待馬。あれから3年。6歳を迎え、着実に力をつけた。年初の中山金杯で2着好走。強豪が集結した前走・大阪杯(6着)は後方追走から内寄りを粘り強く伸びた。優勝したポタジェからわずか0秒5差。指揮官は「以前よりもトモ(後肢)がしっかりして安定した成績を残せるようになった。硬い馬場じゃない方がいい馬。洋芝は合うと思って連れてきた。少々の雨はこれまでもこなしてますからね」。初めての夏の北海道シリーズ参戦の経緯を語った。

 サイレンススズカ、アドマイヤベガ、ディアドラなど多くの名馬を管理してきた橋田師。勝てば、調教師として史上7人目のJRA全10場重賞制覇の偉業。来年2月末で定年を迎えるため、これがラストチャンスとなる。85年開業の指揮官は「函館は昔から来てますね。(函館2歳Sを含めた)2歳馬を早くから使うことは少なくて、条件戦が多かったのかな」としみじみ振り返った。函館記念挑戦は延べ10頭目。最高は02年トーワトレジャーの3着。「10場重賞制覇?あまり考えるとうまくいきませんからね。でもそういった皆さんの気持ちには応えたいと思います」

 JRA重賞63勝を誇る名伯楽は静かに結び、鞍上・岩田康に託した。

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2022年7月14日のニュース