モーリス産駒 「モシーンの2021」を「ダノン」が4.5憶円で落札 1歳セリ史上2番目の高額

[ 2022年7月12日 05:29 ]

4億5000万円で落札されたモシーンの2021(C)Japan Racing Horse Association
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 現役時代はマイル・中距離の2階級制覇を果たした王者が種牡馬戦国時代も統一するか。日本最大級の競走馬セール「セレクトセール2022」が11日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで開幕。初日から100億円以上が飛び交う活況を呈した1歳セリでは、モーリス産駒「モシーンの2021」を「ダノン」の冠名で知られる㈱ダノックスが、1歳セリ史上2位の4億5000万円(税抜き)で落札した。また、競馬ゲーム「ウマ娘」などで知られるサイバーエージェント社長の藤田晋氏は今年も“爆買い”で存在感を示した。

 リザーブ価格1億円スタートだったはずのセリは「2億!」の第一声でゴング。どよめきの中、セリ会場では白熱の応酬が繰り広げられた。最終的に、競り値は4億5000万円まで高騰した。その熱狂の中心にいたのは上場番号76のモーリス産駒「モシーンの2021」(牡)。落札したのは「ダノン」の冠名で知られる㈱ダノックスだ。

 母モシーンはオーストラリアG14勝の名牝。重賞3勝の半姉プリモシーン(父ディープインパクト)を出しており、繁殖牝馬として日本のスピード競馬に適性を示している。父モーリスは日本と香港でG16勝。初年度産駒には、昨年のスプリンターズSを勝ったピクシーナイト、さらなる飛躍が期待されるジャックドールなどがいる。

 4億5000万円は、この日の最高で同セール1歳セリ史上2番目の高額。ダノックスの岡田良樹ディレクターは「とにかくいい馬ですね。下見に行った人の評価もとにかく高かった。好馬体で動きも良く、1歳としては完成度が高い。(代表の野田順弘)オーナーも高く評価していましたし、今日取引された中で一番いい馬だと思っています」と喜びの声。ダノックスは直前に同じく父モーリスの「ホームカミングクイーンの2021」(牡)も2億2000万円で落札しており、「オーナーがまだモーリスの子を走らせていないので、凄く興味を抱いていました。この2頭はどうしても落札したかった。万々歳の結果です」とモーリス産駒2頭で計6億7000万円の投資に大満足の様子だった。

 モーリス産駒はこの日、11頭が登場し、平均落札価格は破格1億超えの1億500万円。ディープインパクト、キングカメハメハがこの世を去り、ハーツクライ産駒も1歳世代がラスト。“種牡馬戦国時代”を統一するのはモーリスか。その勢力の中心を担いうる「モシーンの2021」は、早ければ来夏にもターフでそのベールを脱ぐ。

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2022年7月12日のニュース