【プロキオンS】53歳熊沢 タイガーインディで一発狙う!4年ぶり平地重賞挑戦

[ 2021年7月9日 05:30 ]

4年ぶりの平地重賞制覇に挑む熊沢重文
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 小倉で行われる夏のダート重賞「第26回プロキオンS」は二刀流ジョッキーの手綱さばきに酔いしれよう。タイガーインディとコンビを組む熊沢重文(53)は17年小倉記念以来4年ぶりの平地重賞チャレンジ。何度も波乱を演出してきたベテランの技で一発を狙う。

 まさに鉄人だ。熊沢は今年で53歳になったが、変わらず、日々の調教騎乗を淡々とこなす。雨が降り続いた木曜朝も次々と馬にまたがっていた。「乗り続ける秘けつ?体力が落ちないようにトレーニングしてるぐらいかな。普段から調教に乗るのも大事だからね」

 JRAデビュー36年目は東の柴田善(37年目)に次ぐ現役2番目のキャリア。同期に横山典がいるが、1つ下の世代だった蛯名は今年、調教師に転身した。「同世代がいなくなってきたのは寂しいけど、もっと頑張らないとね」。まだまだ、競馬界を背負っていく覚悟だ。

 今年も平地&障害で勝ち星を挙げ、二刀流ジョッキーとして健在。プロキオンSはタイガーインディとのコンビで平地重賞に挑戦する。初騎乗だった4月の下総SでV。11番人気の低評価ながら見事に逃げ切った。前走の栗東Sは16着に敗れたが、「千四だとオープンクラスのペースに対応しきれなかった。マイペースでいける距離の方がいい」と距離延長を歓迎する。

 平地重賞に騎乗するのは17年小倉記念(クランモンタナ10着)以来。Vなら11年武蔵野Sのナムラタイタン以来となる。くしくも、タイタンを管理した大橋厩舎とのタッグ。「強い馬だったんでね。あの時、落鉄して爪を傷めた。順調だったら、もうちょっとやれていたかも」と懐かしむ。新たなパートナーについても「勝った時がいい勝ち方をしてくれた。“状態は良くなっている”と聞いているので」と期待を寄せる。

 ダイユウサク、コスモドリーム、テイエムプリキュアなど、大舞台で何度もファンの度肝を抜く騎乗を見せてきた。「乗るからにはチャンスはある。一発狙っていきたいね」。夏の小倉を盛り上げるのは、若手だけじゃない。ベテランの騎乗からも目が離せない。

 ◇熊沢 重文(くまざわ・しげふみ)1968年(昭43)1月25日生まれ、愛知県出身の53歳。86年3月2日に阪神7Rで騎手デビュー(ジュニヤーダイオー5着)。初勝利は同29日の阪神8Rジュニヤーダイオー。88年オークスのコスモドリームでG1初勝利を飾り、91年有馬記念ではブービー14番人気ダイユウサクでV。15年には史上初の平地&障害ダブル200勝を達成するなど、二刀流で活躍。JRA通算1万5169戦1045勝(平地794勝、障害251勝)。重賞31勝。1メートル53、53キロ。血液型O。

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