【秋華賞】ミラーグロ奇跡の予感 和田道師不敵「印なくても結構」

[ 2015年10月15日 05:30 ]

単走で追い切るクインズミラーグロ

 牝馬3冠最終戦「第20回秋華賞」の追い切りが14日に行われ、美浦ではトライアルの紫苑Sを制したクインズミラーグロがポリトラックで素軽い動きを披露。好調キープを印象づけた。オークス馬ミッキークイーンなどは、15日に追い切られる。

 夏の上がり馬はタッチングスピーチだけではない。もう1頭の連勝馬クインズミラーグロが、その勢いを感じさせるはつらつとした動きを見せた。追い切りはポリトラック単走で5F67秒0~1F12秒8。直線強めに追われるとスピード感十分に脚を伸ばした。「時計は指示より少し速かったが、いい動きだった。夏から4戦目になるが疲れはない」と和田道師は満足げに話した。

 8月に復帰後は2、1、1着。吉田豊との新コンビでオール連対を続けている。前走・紫苑Sは差し馬向きとはいえない展開を、上がり3Fメンバー最速となる34秒5の剛脚で差し切りV。G1・9勝中8勝を牝馬で挙げている鞍上は「予想以上のいい脚だった。乗りやすくて最後はいかにも女馬らしい切れ味がある」とその末脚にお墨付きを与えた。

 4月のデイジー賞はディープジュエリーの2着に敗れたが、当時は使い詰めで状態ひと息。そこで春を諦め、しっかり立て直して最後の1冠に懸けた。その判断が吉。師は「もともと期待していた馬。以前は体が伴わなかったが、ようやくエンジンに体が付いてきた」と成長を喜んだ。

 紫苑S組は長く秋華賞で結果が出なかったが、昨年は新潟開催とはいえ紫苑S2着のショウナンパンドラがV。風向きは変わりつつある。馬名のミラーグロはスペイン語で「奇跡」の意。吉田豊が「トリッキーなコースだけど競馬が上手なので向いているのでは。馬混みで脚をためて直線さばいていきたい」と意気込めば、G1初制覇を狙う師は「実績馬に胸を借りるが、内に秘めるところはあります。印はなくても結構です」と不敵に話した。人気がないからこそ「奇跡」。陣営の頭の中では既にそのイメージが出来上がっているに違いない。

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2015年10月15日のニュース