【WASJ】念願の初出場!絶好調男・柴山が世界を迎撃!

[ 2015年8月28日 05:30 ]

笑顔で記者の質問に答える柴山。念願のWASJ初出場で絶好調男が頂点を狙う

 絶好調男・柴山の夏本番!世界の名手が計4レースの着順点で覇を競う「2015ワールドオールスタージョッキーズ」(WASJ)が29、30の両日、札幌競馬場で開催される。昨年まで11月に行われていたワールドスーパージョッキーズシリーズから衣替えした国際交流戦。念願の初出場を果たしたのが柴山雄一(37)だ。JRA移籍後の大スランプからV字回復し、世界のトップジョッキーと激突する。

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 札幌の調教控室で競馬雑誌に目を走らせる柴山の表情が引き締まっていく。朝日が昇る午前5時前には藤沢和厩舎に足を運び、調教騎乗に汗を流した後のつかの間の休息。雑誌のWASJ出場騎手一覧を見ながら、「このシリーズに出場するのが夢でした。凄い顔触れですが、せっかく選ばれたからには結果を出したい」と意気込みを口にした。05年に笠松競馬からJRAへ移籍して以来、憧れ続けた世界トップジョッキーの舞台。関東勝利数3位(7月26日時点の勝ち鞍で選考)で出場切符を手にした。「夏競馬の初めには憧れが明確な目標へ。いい馬がそろって、結果を出せた」

 絵に描いたようなV字回復ぶりだ。05年にJRA80勝で鮮烈デビューを飾りながら、年を重ねるごとに尻すぼみ。09年には14勝まで落ち込んだ。そこから20勝(10年)→24勝(11年)→27勝(12年)→33勝(13年)→49勝(14年)。今年は9月の声を聞かずに51勝を挙げた。「技術はまだまだですが、気持ちが以前とは全く違う」と語る柴山。「後から中央に移籍された内田さんや岩田さんが刺激になっている。昨年から調教を手伝い始めた藤沢和厩舎の馬でいっぱい勝たせてもらってリズムが良くなった。藤沢和先生の話を聞けたのも大きい」

 日課のように続けている調教開始前の同師との打ち合わせ。「どうしたら勝てるか…自分がどれだけ考えても、走るのは馬だから。だったら馬が走りやすい乗り方をすればいい」。目からうろこの“フジサワ・イズム”。同厩舎の所属馬で今年5勝と、結果で応えてきた。その藤沢和師は「(平日も開催する)地方時代からJRAに来て乗り数は少なくなったが、その分、暇さえあれば育成牧場でも騎乗している。大変な所(地方競馬)から来ているから努力を努力とは思わない騎手」と言う。

 函館、札幌の北海道シリーズでは同厩舎の主戦。札幌競馬の極意を問われると、「自然体です。地方競馬で乗ってきたから、小回りコースの乗り方は体に染みついている」と笑った。夢をかなえたWASJ出場。得意の舞台で世界の名手を迎え撃つ時だ。

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2015年8月28日のニュース