【NHKマイルC】侮れぬタガノアザガル 低人気反発の予感

[ 2015年5月6日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=5日】第20回を迎えるNHKマイルC。数々の“大駆け”シーンが古傷のように記憶に焼き付いている。雨の中、後方から牡馬をナデ斬りにしたピンクカメオ(07年)。2番手先行からまんまと抜け出したジョーカプチーノ(09年)。一昨年のマイネルホウオウも衝撃的な末脚。いずれも2桁人気に反発する激走だった。

 実績がありながらも不当に評価が低い。まさしく前述ジョーカプチーノと酷似するのがタガノアザガルだ。同じくファルコンSの勝ち馬。14番人気でつかんだ勝利がフロック視されている要因か。“穴馬発見”と気負うオサムとは対照的に、コーヒーブレーク中の鞍上・松田は冷静だった。

 「距離は長いかもしれません。朝日杯は頑張ってくれましたが、やはり(敗因は)距離…なのかと」

 確かに4番手ポジションから伸びを欠いた内容は物足りないが、緩い馬場状態にも敗因は求められる。カプチーノが本番で人気を下げた理由は前哨戦のNZTで3着に敗れ、距離の壁を感じさせたから。しかしキャリアの浅い3歳馬に決めつけは禁物。アザガルも朝日杯(10着)だけで見限ることはできない。

 ファルコンSは後のニュージーランドT覇者ヤマカツエースの猛追を退け、アクティブミノルと叩き合ってこれを鼻差競り落としている。侮れない勝負根性に「最後まで諦めず、しっかり走ってくれる。そこら辺を生かす競馬ができれば…」と松田は目を輝かせた。

 追い比べになれば劣勢は否めないが、“前残り”なら出番はある。09年のジョーカプチーノも最内枠から猛然と飛ばすゲットフルマークスの逃げに乗じた抜け出しだった。今年も飛ばすアルビアーノの存在がありがたい。内枠を引き2、3番手を追走可能なら、場内を沸かすだけでは終わらない。ファルコンSで19年目にしてJRA初重賞制覇を果たした松田。10度目のG1挑戦を前に、この“気楽さ”がいい。 

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2015年5月6日のニュース