【札幌記念】凱旋門予行だ!ハープスター“ブエナ先輩の分も”

[ 2014年8月19日 05:30 ]

札幌で順調に調整するハープスター

 今週の札幌メーンは豪華メンバーがそろった「第50回札幌記念」。凱旋門賞(10月5日、仏ロンシャン)出走を予定している今年の桜花賞馬ハープスターが、強敵相手に“予行演習”に臨む。同じく凱旋門賞を目指すゴールドシップなど古馬牡馬との重量5キロ差は凱旋門賞と同じ。厩舎の先輩ブエナビスタが2着に敗れ遠征を断念した因縁のレースで、今度こそ秋に弾みをつけるつもりだ。

【札幌記念】

 札幌競馬場の調教風景の中で、G1優勝馬限定のゼッケンを着けたハープスターの存在感は際立っている。同じく凱旋門賞を見据えるゴールドシップは函館競馬場で調整中。それだけにハープが馬場入りするだけで、自然と周囲の目が集まる。それでも松田博師は「変わりなく予定通りにきている。順調」と悠然と言い放った。

 牝馬2冠を懸けた前走・オークスは首差の2着惜敗。左前脚の蹄鉄が外れかかるアクシデントも響いた。師は「しゃあない。あれで負けたら納得。蹄鉄は外れていたら、どうってことなかったのに。人間でも靴がバタバタするように…。影響がないことはないな」と振り返る。負けて強しの内容、悲観はしていない。

 厩舎にとっては先輩の雪辱が懸かる一戦でもある。09年、牝馬2冠を成し遂げたブエナビスタが凱旋門賞挑戦を視野に札幌記念に出走。だがヤマニンキングリーの2着に敗れ、遠征を断念した。札幌記念までの6レース全てで上がり3F最速マークという“キャラクター”も似た3歳牝馬。今度こその思いは強い。

 そのためにやれることはやってきた。7月30日に札幌競馬場に入厩してから順調にメニューを消化。13日の追い切り後にはパドックでスクーリングを行い、14日には芝コースに入れた。師は「スクーリング?周りのみんながやった方がいいと言うので。洋芝なので芝にも入れておきたかった」と説明。15日には前日に門別で騎乗した主戦の川田が立ち寄り、愛馬の動きを見守った。

 札幌記念の先には秋の大目標がある。「凱旋門賞は3歳だけに行ってみたい気になる。ブエナビスタも行けなかったから」と師。凱旋門賞は4歳以上の牡馬が59・5キロを背負うのに対し、3歳牝馬は54・5キロ。昨年再挑戦したオルフェーヴルの野望を打ち砕いたトレヴも3歳牝馬だった。札幌記念も古馬牡馬とは同じく5キロ差。絶好のシミュレーションとなる。

 師は「札幌記念は結果よりも無事に走ってくれること」と話すが、勝って弾みをつけるのが理想のシナリオ。脅威の末脚が古馬一線級相手にさく裂するか。最後方から目が離せない。

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2014年8月19日のニュース