【NHKマイルC】1番人気ミッキーアイル圧逃!5連勝G1制覇

[ 2014年5月12日 05:30 ]

ハナを譲らず逃げ切りでG1タイトルを手にしたミッキーアイル(右)。猛追した(左から)4着・ロサギガンティア、2着・タガノブルグ、3着・キングズオブザサン

 名マイラーの誕生だ。3歳マイル王決定戦の「第19回NHKマイルC」が11日、東京競馬場で行われた。単勝1・9倍の断然1番人気に支持されたミッキーアイルが逃げ切りV。5連勝でG1初制覇を飾った。勝利は全て逃げ切りという異色のディープインパクト産駒。今後の状態次第で安田記念(6月8日、東京)参戦を視野に入れ、古馬混合G1ももぎ取るつもりだ。

【レース結果】

 スタンドから悲鳴に似た声が上がった。のみ込まれる!525・9メートルの長い直線。1番人気のミッキーアイルに後続馬が次々と迫り来る。「負けたなと思った」と音無師も覚悟したほど。

 だが、ここからが凄かった。ステッキの連打に応え、迫られてはまた伸びる。最後まで他馬を前に出させることなく逃げ切った。「祈るような気持ちで追った。東京の直線が今までになく長く感じたけど、馬がよく頑張ってくれた」と浜中は真っ先に愛馬を称えた。

 テン良し、中良し、しまい良し。名馬の条件を満たした走りだった。とにかく二の脚が速く、あっさりハナへ。ホウライアキコなど、後続にプレッシャーをかけ続けられてもリズムは崩れない。「後ろのことは気にしなかった」と浜中。前半4Fと後半4Fはきっちり同じ46秒6。最初から最後まで自分の走りを貫いた。

 戦歴から断然の1番人気に推されたが、条件は楽ではなかった。前走・アーリントンCが自己最低馬体重での出走。馬体回復を優先し、ぶっつけでのG1出走となった。左回りも東京も初めて。直線は物見をして左右にふらついた。それでも東京マイルでは至難の逃げ切りをやってのけた。「着差がどうあれ勝ち切るところがこの馬の凄み」。浜中はあらためて強さを実感した様子。師は「最後で詰め寄られたのは休み明けの分かな」とまだまだ強くなると言わんばかりだった。

 ディープインパクト産駒はこれでG1・15勝目だが、逃げ切りは初めて。父同様に切れ味を武器にする馬が多い中、異色のディープ産駒と言っていい。浜中も「ずばぬけたスピードを持っている個性的な馬。今後ももっと競馬を盛り上げていってくれると思う」とさらなる進化に期待を寄せる。

 スピード馬の母スターアイルも管理した師は、早くから3歳春の最大目標をNHKマイルCに絞ってきた。デビューから6戦全てが芝1600メートル。クラシックに心が揺れなかった信念が実った。師は今後についてダービーの「ダ」の字も出さず「もし使うとすれば安田記念になる。距離を延ばすとしても、もう少し後でしょう」と話した。連勝はどこまで伸びるのか。天才マイラーの挑戦は続く。

 ◆ミッキーアイル 父ディープインパクト 母スターアイル(母の父ロックオブジブラルタル)牡3歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・野田みづき氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績6戦5勝 総獲得賞金1億8829万8000円。

続きを表示

2014年5月12日のニュース