【北九州記念】ツルマルレオン ノーステッキでも急襲V!

[ 2013年8月19日 06:00 ]

北九州記念を制したツルマルレオン

 小倉では電撃の北九州記念。ツルマルレオンが待望の重賞初制覇を決めた。

【レース結果】

 ゴール直後、小牧はツルマルレオンの馬上で左拳を突き上げた。だが、ガッツポーズではなかった。

 「ムチがないと、アピールしたんや」

 ノーステッキで勝利に導いた会心の騎乗。レースは思い描いた通りに運んだ。アイラブリリが前半3F32秒2の超ハイペースで飛ばす中、先行集団から1馬身離れた10番手で流れに乗った。「スタートが課題なので集中した。うまく出てくれたし、いけるぞと思った」。だが、直線でアクシデントが待っていた。

 残り200メートル手前。左手に持っていたステッキを落とした。「飛んでいったんや」と苦笑い。そこからは、ひたすら剛腕を繰り出した。両腕でグイグイ追う。馬も応えた。大外から上がり3F33秒4の鬼脚で差し切った。1分6秒7はレースレコードだ。

 「早くから、いつ重賞を勝ってもおかしくないと思っていた。獲りたかったし、その場面で乗れて幸せ」。デビュー戦から騎乗した思い入れのあるパートナー。11回目のコンビでもぎ獲った重賞制覇は、鞍上にとって今年重賞初V。07年から7年連続でのJRA重賞制覇は節目の30勝目だった。

 「昨年暮れにケガしてからリズムが悪かった。きょうはレオンに勝たせてもらったな。励みになるわ」

 橋口師はこのレース4勝目。普段、騎乗に口出ししない指揮官だが「後ろから行っても届かない馬場。出していって流れに乗れと指示したんや」。次走はセントウルS(9月8日、阪神)。「最終的にはG1を目指したい」と師。鹿児島出身の鞍上と、宮崎県出身の指揮官。九州コンビの絆が地元で実を結んだ。

 ◆ツルマルレオン 父ハーツクライ 母カストリア(母の父キングマンボ)牡5歳 栗東・橋口厩舎所属 馬主・鶴田鈴子氏 生産者・北海道日高町浜本牧場 戦績22戦6勝 総獲得賞金1億3426万円。

続きを表示

2013年8月19日のニュース