【福岡・笹川賞】新田が涙のSG初V!「次は賞金王を狙うしかない」

[ 2013年5月27日 06:00 ]

優勝戦1周2マークをトップで旋回する新田

 涙のSG初Vだ!ボートレース福岡「SG第40回笹川賞」の優勝戦が26日12Rで行われ、新田雄史(28=三重)が3コースから差し抜けた。師匠・井口佳典の初SGタイトル、08年平和島笹川賞と同じ艇番の5号艇で栄冠をゲット。賞金ランクは2位に浮上し、初の賞金王出場へ視界は大きく開けた。壮絶な2着争いは峰に軍配が上がり、1番人気の桐生順平は6着に敗れた。

 激しいコース取り、そして1Mの攻防戦。そこをズバッと切れ込んだのが黄色いカポックの新田。若き新SGウイナーの誕生だ。

 涙が止まらない。ボートレースの熱烈なファンである父・正典さん(55)が切り開いてくれたボートレーサーへの道。そして投票でここに立たせてくれた多くのファン。感謝の気持ちが一気にあふれ出た。

 ここまでの道のりは平たんではなかった。11年の新鋭王座では1号艇から振り込む大失態で優勝を逃した。そして、SG初優出を決めた3年前の笹川賞は4号艇からピット離れで遅れて6コースへ。「完璧なターンで優勝する岡崎さんを間近で見ていた。悔しかった」と振り返る。

 「スタートは気持ちがあれば行けると思っていたのでS練習には出なかった」と、“何とかなるさ”の精神で臨んだ。「たまたまかもしれないが、今回は本番でコースも突っ張れた。これでいろいろなことから解放された」。新田に張られた“優勝戦に弱い”という屈辱のレッテルははがされた。

 「ずっと師匠の背中を見てきた。井口さんなしでは今の自分はない」。昨年、井口の笹川賞優勝をテレビで見ていた新田。このVで雲の上の存在だった師匠に大きく近づいた。「SGは選手生活で1つ獲れればいいと思っていたが、次は賞金王を狙うしかない」。これからは師匠と肩を並べて頂点を目指す。

 ◆新田 雄史(にった・ゆうし)1985年(昭60)2月19日生まれの28歳。三重支部。05年3月19日登録の96期生。同期は、篠崎元志、平本真之、奈須啓太、下條雄太郎、魚谷香織ら。07年の浜名湖新鋭リーグ戦で初優勝。SGは、09年賞金王シリーズに初出場、10年の浜名湖笹川賞で初優出。G1は、09年のびわこ周年記念で初V。通算優勝は12回目で1着数469勝。1メートル68、血液型B。

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