【密着!池江厩舎】(9)オルフェ食事中に発見!父&兄との共通点

[ 2013年5月25日 06:00 ]

馬房から顔を出すオルフェーヴル

 桜井聖良の短期連載は残すところあと2回。今回は4日間のオルフェーヴルのさまざまな顔を紹介したいと思います。見続けて分かった賢さ。そして驚いたことに父ステイゴールド、兄ドリームジャーニーと共通する癖を持ち合わせていたのです。

 <4月9日>早朝、オルフェーヴルとご対面。実はこれが2度目なのですが覚えているのかいないのか、私の携帯電話に興味津々なようで、顔を出して鼻を動かしていました。そっと触ると、そのままじっとして動かないオルフェにちょっとびっくり。あれ?こんなにおとなしかったかな?そう思ったのもつかの間、洗い場で手入れをされている時はとにかく顔を振るわ、動き回るわで、なかなかスムーズにはいかない様子。だけど担当の森澤さんはあえて何も言わず、オルフェのタイミングを見て黙々と手入れをしていました。

 <4月10日>お昼、どうやらもう私のことは認識してくれたようで、馬房の近くへ行くと触ってと甘えてきました。何枚か写真を撮ろうとすれば、まるで分かっているかのように突然静止をしその後あっかんべーのポーズ。この馬はどこまで賢いのだろう、写真を撮ってるから止まっておこうとまで考えてしていたら怖いなぁ、なんて考えながら撮影していました。その後の洗い場では前日と同じく暴れており、洗い場を通ろうとすると「気をつけてくださいね」とスタッフの方が言ってくださるほど、やんちゃなオルフェになっていました。だけど実際に通る時はおとなしくしてくれているんですよね。その理由が分かったのは次の日のことでした。

 <4月11日>お昼の洗い場では相変わらずちゃかちゃかしているオルフェと、静かに手入れをする森澤さんの姿が。しかし私の前では、食べカスをいっぱいつけた口で私の顔を勢いよくクンクンし、顔中を食べカスだらけにしてくるほど人懐っこいのです。そこでやっと確信しました。オルフェは私が自分より弱い立場だとわかっているからあえて強く出てこないんだと。顔についた食べカスをふき取りながら、食事をしているオルフェを見ていると、ドリームジャーニーを担当されていた山下助手があることを教えてくれました。

 山下「この馬もお茶漬けをするんだよ」

 私「お茶漬け??」

 山下「ほら、飼い葉食べてすぐに水飲んで。をずっと繰り返しているでしょ?これをお茶漬けって呼んでるんや けど、全く同じ動作をジャーニーもしてたんよ。父親であるステイゴールドも同じことをしていたから、親から受け継いだ癖やね」

 父親がしていた同じ動作を兄弟が両方共しているだなんて、すごいと思いませんか?私はそれを聞いた時、なんとも言えない感動がわき上がりました。聞くとこの“お茶漬け”は賢い馬の証らしく、たとえ飼い葉があまり欲しくなくても、食べないといけないとわかっているからしているんじゃないかと言われているそうです。

 <4月12日>午前、オルフェの馬房に近づくと遠目からでもわかる昨日までの違い。「あ、スイッチが入っている」。どうやら早朝の追い切りにて予定よりも少し速いタイムが出たそうで、それがきっかけでオンになったようです。明らかに昨日までと雰囲気も目つきも動作も違うんです。目はきりっとし誰も寄せ付けない雰囲気というか一人で居たいオーラを出しているんですよね。今まで4日間も続けて同じ馬を見ることがなかったので、こんなにもガラッと変わるんだなとびっくりしたと同時に感心してしまいました。「スイッチが入ったその時から放たれるオーラは、周りを圧倒するものがある」というのは、私が見てきた強い馬の共通点ですが、まさにオルフェーヴルはそれでした。だけどオンとオフとの振り幅の広さで言えば、オルフェは1、2を争うほど。甘えん坊から一晩で王者になる貴重な瞬間を見させていただきました。

 次回はいよいよ10日間連続掲載記事の最終日です!最後はオルフェーヴルと担当の森澤さんについてお話しさせていただこうと思います。お楽しみに!

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 ▼桜井 聖良(さくらい・せいら)タレント。競馬予想で来ない人気馬・来る穴馬を選ぶのが得意で、生放送番組でWIN5と予想したメーンレースを全的中させた経験を持つ。2011年から1年半、馬の勉強をする為オーストラリアに留学し、馬のマッサージが特技となった。尊敬する人物は大川慶次郎さんで、憧れる人物は鈴木淑子さん、原良馬さん。

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