【スプリングS】ヘルデンテノール“千八の風になって”権利獲る

[ 2013年3月13日 06:00 ]

クラシックの主役を目指すヘルデンテノール

 皐月賞トライアル「第62回スプリングS」(17日、中山、3着まで優先出走権)に出走するヘルデンテノール。来週の高松宮記念で悲願のG1タイトルを狙うサンカルロの半弟だ。兄は4年前のこのレースで惜しくも4着に敗れクラシックの舞台を断念。だが、父がシンボリクリスエスからディープインパクトに替わった弟には早くも兄超えの予兆が表れた。急成長を見せる弟がクラシックの切符をつかみ取る。

【スプリングS】

 ヘルデンテノールはデビュー戦からゲート難に悩まされ、後方からの競馬を余儀なくされた。それでも、新馬戦を後方一気で差し切った。3戦目の500万は差し届かず3着に敗れたが、上がり3Fは最速タイの33秒1の鬼脚を発揮。これは重賞4勝の半兄サンカルロが生涯37戦でマークした上がり3F最速のタイムと同じ(10年京王杯SC10着)。明け3歳で、既に切れ味は兄を超えるほどだ。

 大久保洋師も「しまいの切れ味には、かなりの自信を持っている」と、その末脚には脱帽だ。

 クラシックシーズンの到来を前に、前走のセントポーリア賞では、進歩した走りを披露。課題だったスタートを決め、鞍上の吉田豊が軽く気合をつけると、スッと2番手まで浮上。好位でうまく折り合い、最後は自慢の末脚を繰り出し、危なげなく快勝した。その内容に師は自信を深めた。

 「外から掛かり気味に進んで心配したが、番手で落ち着いてくれた。ああいう競馬ができれば、かなりやれそうだな」

 正攻法の競馬が可能なら、中山替わりもマイナスにはならない。当地は2戦目のジュニアCで7着に敗れた舞台だが、指揮官に不安はない。

 「当時は2戦目でかなりテンションが上がっていた。2走前からゲート裏までメンコを付けるようにしてからは落ち着いている」

 混戦ムードのクラシック戦線。トライアルの弥生賞は1、2番人気に支持された東西のエース候補エピファネイア、コディーノが4、3着に敗れた。勝ったのは2走前に0秒2差届かなかったカミノタサハラだ。 「まだ抜けた馬はいない。前走のような競馬ができれば、カミノとの差も逆転できる。チャンスはありそうだな」と師。好位から強烈な切れ味を繰り出し、堂々とクラシックの主役に躍り出る構えだ。

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2013年3月13日のニュース