【賞金王決定戦】かなえた夫婦の夢!21年目山崎 悲願の初V

[ 2012年12月25日 06:00 ]

ピットで妻の奏恵さんと抱き合う山崎

 愛する妻と娘に智也が最高のプレゼントだ。SG「第27回賞金王決定戦」は24日、ボートレース住之江12Rで行われ、4号艇の山崎智也(38=群馬)がまくり差して快勝。デビュー21年目で悲願の初V、賞金1億円と黄金のヘルメットをゲット。獲得賞金も1億6000万円を越えトップに立った。また賞金王シリーズ優勝戦は1号艇の篠崎元志(26=福岡)が制し、SG初制覇を飾った。

 ボートレースに神様は存在した。こんな劇的な結末が待っているとは…。妻の電撃引退で開幕前の話題を独占した山崎が最後まで主役であり続けた。「カミさんに優勝の舞台を整えてもらった。今年はドラマチックに仕上がったんじゃないですか」

 10回目の挑戦でようやく金冠をつかんだ。インに高々とそびえ立つ松井をまくり差しで倒した。仕上がりもレース内容も完璧だった。「朝から感じは良かった。ペラ調整して特訓に行ったけど、優勝する可能性は8割ぐらいはあるなって思っていた」

 01年の賞金王決定戦でF。順風満帆だった山崎のレーサー人生に大きな影を落とした。脂の乗った30代中盤は12人にも残れず…。だからこそ「勝ったらやめてもいい」というコメントが口を突いたのだ。「自分の努力が足りなかったんだと思うけど、勝利の女神も足りなかった。やめる?こんなに気持ちいいことを味わえるのは、この仕事しかないんで、ずっとやめられませんね」

 もちろんやめてもらっては困る。もっともっとSGを勝ってもらわないと!内助の功を選択した奏恵さんのためにも。ピット帰還後、抱きしめたのもそんな気持ちの表れだろう。

 「お金のかからない物をプレゼントしますよ」。そう言うと、インタビューを聞いていた奏恵さんもニコッと笑った。イブのメッカに用意された最高のストーリー。ボートレースはやっぱり面白い。

 ◆山崎 智也(やまざき・ともや)1974年(昭49)3月11日、群馬県生まれの38歳。92年11月デビュー。94年10月平和島で初V。G1は20V、SGは初の賞金王Vを含め7回。“ボート界の貴公子”は19日に引退した女子レーサー・横西奏恵と一昨年12月に結婚。同期に馬袋義則、深川真二ら。

<賞金王決定戦VTR>ほぼ互角のピット離れ。枠なり進入、3対3でスタート。松井のイン起こしは100よりかなり手前。ライン後に伸びたのは山崎。それでも松井が先手を譲らない。ほぼ隙のないターンで1Mを回ったその瞬間、山崎が鋭く松井の内懐に飛び込んだ。あとはバック内を伸び切り歓喜のVゴール。松井は悔しい2着。2M瓜生、太田の競りを冷静に差して井口が3着に浮上。

 ≪「これからは山崎奏恵」≫19日にレーサー人生にピリオドを打った横西奏恵さんが引退後、初めて報道陣の前に姿を現した。賞金王決定戦の夫を激励するため住之江を訪問。現在の心境を語った。「1年くらい前から今年いっぱいで引退しようと思っていた。今はスッキリしている。心残りはない。これからは山崎奏恵になります」とすがすがしい表情で話した。ただ、夫の決定戦制覇には驚きを隠せない様子で「本当に優勝するとは思わなかった。お父さん凄い」と目を丸くしていた。

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