ウインズ銀座通り、静内、室蘭 利用者減少で来春閉鎖

[ 2012年10月17日 06:00 ]

来春の閉鎖が決まったウインズ銀座通り

 JRAは16日、東京港区の六本木事務所で会見を開き、ウインズ銀座通り(東京都中央区)、静内(北海道新ひだか町)、室蘭(同室蘭市)の場外3施設閉鎖を正式に発表した。営業終了日は銀座通りが来年3月、静内、室蘭が同5月の最後の中央競馬開催日。来年の日程はまだ発表されていないが、それぞれ3月31日、5月26日となる見込み。

 JRAの鈴木良治理事(ウインズ事業運営担当)は、「電話投票(インターネット含む)の普及と利便性向上という時代の変化もあり、事業の抜本的な見直しを進める中で営業終了を決断した」と経緯を説明。静内はピーク時(91年)の売り上げが80億7000万円あったが、昨年は16億9000万円、室蘭は132億円(94年)が昨年は33億円まで減少。いずれも施設維持が精いっぱいの状況で、施設の賃貸契約が来年5月で満了となり「更新する理由がない」(同理事)のも理由の一つとなった。今後はホッカイドウ競馬の場外施設「Aiba」との連携も模索していく。銀座通りについては「施設の重複が最大の理由。近くに立地するウインズ銀座で利用客を吸収できる」とした。

 ウインズ全体の売り上げは93年に2兆2700億円を超えたが、昨年は6400億円まで減少。一方、電話投票は93年に3900億円だったのが昨年は1兆3400億円。自宅や外出先で簡単に馬券を購入できる電話投票の普及で、ウインズに出掛けるファンの数が減少している。ただ、JRAではこれ以上のウインズ閉鎖は「現時点では考えていない」としている。

 JRAでは59年に池袋、02年に三条の場外発売所を閉鎖したが、いずれも地権者の要望によるもの。JRA側の主導でウインズを閉鎖するのは、今回が初めてのケースになる。

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2012年10月17日のニュース