【桜花賞】ハナズから離れず 加藤和師付きっ切り

[ 2012年4月4日 06:00 ]

<桜花賞>洗い場に入ったハナズゴール(左)は目の前をアパパネが通り、思わず緊張?!

 混戦模様の「第72回桜花賞」。過去最多となる関東馬5頭が栗東滞在で臨むが、中でもやる気満々なのがハナズゴールの加藤和宏師(56)だ。火曜からレース直前まで栗東に滞在し、愛馬の状態をつぶさにチェック。万全の態勢で大一番に送り込むつもりだ。

 まさに“一頭入魂”だ。地元・栗東の調教師でも火曜朝は牧場巡りなどで留守にしがちなこの時期。加藤和師は朝一番からスタンドに姿を見せ、栗東滞在中のハナズゴールの様子を見守った。「今週はこっちで。いろいろあいさつしたい人もいるからね」。レース直前まで栗東に滞在する予定だ。

 異例の長期滞在。厩舎初の重賞Vをもたらしたハナズゴールで臨む大一番への意気込みを物語る。わずかな変化も見逃すまいと、調教後は馬房で愛馬の状態を念入りにチェック。騎手時代にシリウスシンボリで85年ダービーを制した名手は「騎手時代になかった緊張感。自分が乗る方が楽」と苦笑するが、その表情には充実感が漂っている。

 ハナズゴールは前走・チューリップ賞で2歳女王ジョワドヴィーヴルなど強敵を文字通り一蹴。一躍、桜候補にのし上がった。チューリップ賞時は輸送で減った馬体を戻すことに腐心しながらの調整だったが、環境に慣れた桜花賞1週前は坂路でしっかり追われた。この日は坂路を1本、軽快に登坂。師は「馬体のハリが凄く良くなっている。前走後は普通に食べているし、気持ちもずいぶん落ち着いてきた」と上積みを感じ取っている。

 3勝はいずれもド派手な勝ち方。一方で敗れた2戦は掲示板すら確保できなかった。気分屋なのか。師は否定する。「2戦目は新馬戦で激走したことで目に見えない疲れがあったのだろう。3戦目は(休み明けで)まだ心臓が本物じゃなかった」。その後は500万、チューリップ賞とも上がり3Fメンバー最速の剛脚で快勝。師は「2回続けて脚を使えたんだから大丈夫」と自慢の“脚力”に全幅の信頼を寄せた。

 ダービーV時に妻の名前を叫んだというエピソードで知られる師。愛馬が桜花賞を制した時には何と叫ぶのだろうか。

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2012年4月4日のニュース