【マイルCS】リディル宙を滑るように51秒5

[ 2011年11月17日 06:00 ]

<マイルCS>坂路を単走で追われたリディル

 ジワジワとスタミナを奪う栗東坂路の重いチップも、連勝中のリディルの前には無力だった。小牧を背に単走。残り400メートルでピッチが上がると、前方だけでなく上へも跳ね上がるようなフォームに変わった。四肢でしっかりと蹴り、地面から反発力を得ている証拠。その力をてこに、さらに加速した。ゴールまで宙を滑るようなフットワークを維持してフィニッシュ。4F51秒5~1F12秒9を楽々とマークした。

 「ラスト1Fを強めで追う、想定通りの時計と動き。予定通りに来た」。橋口師の言葉も弾む。小牧は「以前は、やんちゃな馬だったが今はゆったりと落ち着いている。体も減らなくなったし体の芯がしっかりしてきた」と成長ぶりに目を細めた。

 元はクラシック候補生。デイリー杯2歳Sでエイシンアポロン、ダイワバーバリアンなど後のG12着馬を一蹴。だが、直後に左第1趾(し)骨複骨折が明らかになり暗転した。手術、長期療養の末に復帰。レースを使いながら徐々に状態が戻り、前走・スワンSで2年ぶりの重賞制覇を決めた。

 「ボルトが3本も入っているのに、ここまで成長するとは。カイバ食いも太くなり、たくましさを増した。G1馬にふさわしい能力の持ち主。自信を持って送り出す」。橋口師は感慨にふけりつつ、力強く締めくくった。小牧も「スピードがあって乗りやすく、どんな競馬もできる」と自信を隠さない。骨折で遠回りこそしたが夢に見たG1は、もう目の前にある。

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2011年11月17日のニュース