【エ女王杯】驚脚さく裂!フェアリー“史上初”連覇

[ 2011年11月14日 06:00 ]

<エリザベス女王杯>アヴェンチュラ(右)らを一瞬で突き放し連覇を達成したスノーフェアリー(左)

 今年も世界の脚がさく裂した。最強牝馬決定戦「第31回エリザベス女王杯」は1番人気の英国馬スノーフェアリーが直線、インから鮮やかに抜け出し連覇を達成。外国馬がJRAの同一平地G1を連覇するのは史上初。同馬は2週間後のジャパンCに登録。その動向が注目される。2着は秋華賞馬アヴェンチュラ、牝馬G1完全制覇を狙ったアパパネは3着。東京メーンの武蔵野Sはナムラタイタンが重賞初制覇を飾った。

【レース結果】

 何という強さだ。スノーフェアリーが突き抜けた瞬間、5万人をのみ込んだ京都のスタンドは言葉を失っていた。残り1F、1番人気のピンク帽はまだ中団にいた。誰もが日本馬の争いと確信した残り100メートル。3F33秒8の剛脚でホエールキャプチャとアパパネの間をこじ開けてきた。

 完全に先頭に立ったアヴェンチュラも止まって見えたほど。大好きな京都のビクトリーロードの内ラチ沿いから首をグイッと出したところがゴール。史上初の「外国馬の同一平地G1連覇」の偉業を達成だ。

 昨年12月の香港カップ以来となったムーアはコンビを組んで5戦5勝。「彼女の強さを証明できてうれしい。これだけタフな馬はそういない。前につけようと思ったけど、思った以上にペースが速いので気持ちよく走らせることに集中した。今年も内?特に意識したわけじゃない。これだけ速ければバテる馬もいるから、下がってくる馬の隙間を見つけただけだ」。逃げたシンメイフジの5F57秒5の超ハイラップに戸惑うこともなく、心憎い巧騎乗が光る。全てはパートナーの強さを信じ切ったゆえだ。

 一方のダンロップ師は感無量だった。「あまりに感動的で…。彼女の強さに感服している。何より勝利に導いてくれたムーアに感謝している。説明する必要がないぐらい彼女のことを知り尽くしているよ」

 ドバイ遠征を予定した3月に脚部不安を発症し、今年前半は休養。7月エクリプスS(4着)で復帰すると、愛チャンピオンS(2着)、世界最高峰の凱旋門賞(3着)で奮闘。10月に英仏で2戦を消化する一見過酷なローテーション。来日後は虫刺されもあったが、ワールドクラスの底力でクリアした。師は「大外18番で2キロ増の56キロを乗り越えたのだから本当に凄い。過密日程?状態に関しては何も心配していなかった。きょうはお祝いだ」と晴れやかな笑顔で続けた。

 登録したジャパンCについて、馬主代表のパトリック・クーパー氏は「体調を見て今週中にも決めたい」と話した。昨年はジャパンCを見送って香港カップに進んだが、参戦を決断すればもちろん超目玉だ。ムーアは「勝つには勝ったが、きょうもベストフォームではなかったと思う。まだまだ強くなる」とさらなる快走を約束した。

 ◆スノーフェアリー 父インティカーブ 母ウッドランドドリーム(母の父チャーンウッドフォレスト)牝4歳 英国・ダンロップ厩舎所属 馬主・アナモイン社 生産者・愛国ウインドフラワー・オーヴァーシーズ・ホールディングズ 戦績19戦7勝 総獲得賞金約4億6734万8000円。

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