【天皇賞・秋】中距離界に新星!ダーク“下克上”果たす

[ 2011年10月25日 06:00 ]

<天皇賞・秋>G1初挑戦初Vを狙うダークシャドウ

 タイトルホースが勢ぞろいした「第144回天皇賞・秋」。7頭のG1馬(オウケンブルースリは回避、レッドディザイアは除外対象)に敢然と挑戦状を叩きつけるのが新星ダークシャドウだ。エプソムC、毎日王冠を連勝して東京コースでは5戦5勝を誇る“府中の鬼”。新コンビを組むベリーに導かれ、G1初挑戦初Vを狙う。G1恒例「データBOX」はブエナビスタをイチ押しした。

 既成勢力をまとめて負かすとしたら、この馬しかいない。そう思わせるほど、ダークシャドウの前走・毎日王冠は強い内容だった。後方からレースを進めたが直線で前が壁になり、スペースが空いたのは残り200メートル。福永も「直線半ばではどうしようかと…」と振り返る大ピンチだったが、そこから驚異的な末脚を繰り出し、僚馬のリアルインパクトを差し切った。

 これで東京は5戦5勝。一躍、天皇賞・秋の有力候補に躍り出た。中2週での参戦となるが、中間も順調。21日にはWコースで馬なりのまま5F71秒7~1F14秒5をマーク。橋本助手は「少し時計は遅かったが、順調。休み明けを使って良くなっているし、いい状態で臨めそう」と好感触を口にした。

 有力馬がそろう堀厩舎の中でも、デビュー前から素質を高く評価されていた1頭。3歳4月のデビューから未勝利、500万をあっさり連勝した。調教で力を出しすぎる面が災いしてその後はやや足踏みしたが、セーブ気味の調教に切り替えて再び軌道に乗った。「ここにきてだいぶパンとしてきているし、今ならもう少しハードに攻められるかなとも思う」と橋本助手。まだまだ成長が見込める。

 G1初挑戦。相手は大幅に強化されるが、陣営は確かな手応えをつかんでいる。その裏付けの1つが2度目の重賞挑戦で2着した大阪杯。その後に天皇賞・春を勝つヒルノダムールを鼻差まで追い詰め、ダービー馬エイシンフラッシュなどに先着した。橋本助手は「大阪杯も相手が強かったが、格負けしなかった。当時よりクラス慣れしているので、ここでも格負けはしないと思う」と愛馬に信頼を寄せた。

 大一番はベリーに乗り代わりとなるが、2度の騎乗経験があり不安はない。東京でG3(エプソムC)、G2(毎日王冠)を連勝し、残すはG1のみ。自慢の末脚を生かせる長い直線で、ダークシャドウが中距離路線の勢力図を一変させるかもしれない。

 ◆フランシス・ベリー 1981年1月2日生まれ、アイルランド国籍の30歳。10年アイルランドリーディング2位。昨年12月に初来日し、12月25日の中山8Rのサイオンで初勝利。JRA通算12勝。重賞は10回騎乗し、10年朝日杯FSのリアルインパクトなど2着3回。今週末から短期免許で騎乗予定。1メートル73、55キロ。

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2011年10月25日のニュース