【菊花賞】パテック好調!西園師「“ほらね”と…」

[ 2011年10月19日 06:00 ]

運動に出る準備をするサダムパテック

 3冠最終戦の「第72回菊花賞」。ラスト1冠に懸ける各陣営の思いは強い。サダムパテックは朝日杯FS、皐月賞で1番人気に推されながら4、2着とあと一歩。悲願のG1タイトル奪取へこん身仕上げで臨む。

 このまま引き下がるわけにはいかない。サダムパテックは1冠目・皐月賞の1番人気馬だ。西園師はそのプライドをチラつかせた。「一度は世代で1番という評価を受けた馬。菊花賞が終わったら“ほらね”と言いたいよね」

 その皐月賞は2着。続く道悪のダービーは7着に沈んだ。夏場を充電して秋初戦に選んだのは2冠馬不在のセントライト記念。スタートで出遅れながらも3着に食い込んだ。師はこう回顧する。「タイミングが合わなくて、突っかけてから下がったところでゲートを切られた。それでも位置を取りにいってからでも折り合えたし最後も伸びてきた」

 距離延長に向け、一定のメドが立つ内容だったといえる。中間は短期放牧でメンテナンスをしっかりと。ひと叩きして気配は上向いている。火曜朝は坂路1本。厩舎周りを運動する様子をチェックした西園師は「輝いているよね」と目を細めた。毛ヅヤはさえ、目がきれいに澄んでいる。共に好調の証拠だ。

 3冠全て岩田が手綱を取る。先週の秋華賞をアヴェンチュラで制し、好リズムで大仕事を狙う。1週前追いにも騎乗しており「凄くいい状態」と感触をつかんでいる。04年菊花賞を8番人気デルタブルースで制した手腕に期待が懸かるところだ。

 そして、菊の舞台が一筋縄ではいかないことを西園師は知っている。2年前「アクシデントさえなければ勝てる」とまで確信していたイコピコは4着。末脚を十分に生かすことができなかった。その教訓を胸に、ぶつかっていく構えだ。「オルフェーヴルはもの凄く強いけど、付け入るとすれば3000メートルの距離。一番上手に競馬できた馬が勝つ。イコピコの時の分まで頑張るよ」

 負けを知ることで生まれる強みもある。最後の1冠に懸ける思いは誰にも負けない。

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2011年10月19日のニュース