【菊花賞】ユニバーサルバンク“雪辱”へ絶好舞台

[ 2011年10月19日 06:00 ]

乗り運動をするユニバーサルバンク

 【G1ドキュメント=18日】どんな仕事でも日々、丹念な作業の積み重ねが結果につながっていく。松田博師は調教を見届けると必ず上がり運動を自らの目でチェックする。どんなに小さな変化も見逃さない。トレーナーの姿勢にそんな信念が感じられる。厩舎へ戻る道中、先週の秋華賞の話題になった。2冠制覇を狙った桜花賞馬マルセリーナは7着に終わった。「ゲートの出が良くなかったし、大外枠やったから外々を回る形になったもんな。まあ仕方ない。次走がどこになるかはまだ分からんけど、また次やな」

 いい意味で敗戦を引きずっていない。そう、競馬は今週も続いていく。菊花賞にはユニバーサルバンクを送り込む。秋初戦のセントライト記念は4番人気で11着。2走目でどこまで変わってくるか。そのとき、上がり運動中のこの馬がトレーナーの目の前を通り過ぎた。「使って体つきは良くなっているよ。前走は休み明けの分」

 舞台は京都へ。昨秋に未勝利を快勝して春の京都新聞杯で2着。このコースでは【1300】と崩れていない。さらに松田博師が手掛けた母ヴィクトリーバンクがオープン特別の道新杯を含めて芝2500~2600メートルで4勝している点も見逃せない。「お母さんは距離を延ばして良さが出てきた。折り合いの心配はないし、この馬も長いところは合っていそう」

 父ネオユニヴァースは03年春2冠馬。淀のターフで3冠制覇の夢は散った。その産駒が逆に3冠阻止を狙う立場でクラシック最終戦へ。この両親に、この舞台。血統のドラマがあるかもしれない。

続きを表示

2011年10月19日のニュース