【ヴィクトリアM】スプリング飛躍!エリートに挑戦状

[ 2011年5月11日 06:00 ]

<ヴィクトリアM>満開に咲いたつつじの横を歩くスプリングサンダー

 昆厩舎期待の4歳馬が完全に軌道に乗った。スプリングサンダーは今年に入った時点ではまだ条件クラスの身。それがこの春、歯車がガッチリかみ合った。3月の阪神で1000万を勝ち上がって、中1週で臨んだ準オープン・うずしおSで豪快に差し切りV。派手にオープン入りを決めると前走・阪神牝馬Sも中団から鋭く伸びて3着と崩れていない。昆師が好走の要因を分析する。

 「新馬戦を勝っているように、もともといいものを持っていたんだよ。去年の夏以降の休養で骨量が増えて、どっしりしたいい体つきになったね。古馬になってからは壁らしい壁に当たっていないし、前走も負けはしたけど恥ずかしい競馬はしていないからね」

 前走まで6戦連続で1400メートルに起用しているものの、もちろん昆師は7F限定のタイプとは見ていない。「前走がもう1Fあれば…というレースぶり。立ち回りのうまさが武器だし、この馬はどんな形にも対応できるから競馬がしやすい」と秘めるマイル適性と自在性をアピール。さらに、こう続けた。

 「一昨年の新潟2歳S(芝1600メートル)がしまいよく伸びて5着。まだ馬がしっかりしていない段階で、あれだけの脚(上がり3F33秒9)を使えたんだから距離はこなせるよ」

 特に癖がなく、コース替わりは問わないタイプ。条件うんぬんよりも今の出来の良さを強調したい。2走前が中1週、前走が中2週とレース間隔が詰まっていただけに、中4週でじっくり調整できているのは好材料。「前走後、十分に間を空けることができたし馬はいい感じだよ。今の充実度でどこまでやれるか見てみたい。G1だから厳しい競馬にはなるだろうけど、状態がいいだけに楽しみだね」という。

 アパパネやアニメイトバイオ、ショウリュウムーンなどG1経験豊富な同世代のライバルと歩んできた道は違う。時間をかけて地力を蓄え、ようやく初のGI舞台へ。強敵相手に真っ向勝負を挑む。

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2011年5月11日のニュース