中山3月開催中止…フラワーCなどは阪神で
JRAは15日、今月いっぱいの中山競馬の開催中止を発表した。14日に19~21日の3日間開催を目指して番組も発表したばかりだったが、一転の中止決定となった。阪神、小倉競馬は14日の発表通りに行われる。なお19、20日に予定していたフラワーC、スプリングSは26、27日の阪神開催のいずれかに組み込むことになった。20日に予定していたアネモネSは行われないことになった。
JRAは15日午前8時すぎ、3月いっぱいの中山開催中止の貼り紙を美浦トレセン内に掲示し、8時半にマスコミ向けのリリースを出した。これを受けて午後1時から記者会見を行った小畠薫・JRA理事は「計画停電の時間がはっきりとしない以上、もし開催しても公正な競馬ができるか分からない。また、公共交通機関の混乱が著しい状況下、お客さまに安心して競馬を楽しんでいただける環境にはない」と中止に至った経緯を説明した。計画停電が実行されたことが中止への決定打となったとみられている。
これにより、中山から阪神に移して行われるレースが発生する。19日に予定していたフラワーC、20日予定のスプリングSは「クラシックにつながる重要なレース」(同理事)との位置付けから、26、27日の阪神開催(芝1800メートル)で行うことを決めた。どのレースをどの日に行うかは今後決定する。アネモネSは、もし26、27日に行っても桜花賞まで中1週の厳しいレース間隔となり、優先出走権を与えても本番の出走は微妙となるため、取りやめることになった。
3月いっぱいは阪神、小倉のみの開催となるため、関東馬は大挙、長距離輸送での西下を強いられる。そこでJRAは阪神、栗東の出張馬房を最大限、有効に活用するほか、京都競馬場の馬房も特例として開放する方針。レース数日前に京都入りし、当日に阪神競馬場へと再輸送できるプランを検討中だ。
JRAは東日本管内の場外馬券発売所(競馬場を含む)の使用可否についても、(1)計画停電の終了(2)公共交通機関の混乱解消――などが事業所を開く条件との見解を示したが、可能な限り開きたいとの姿勢を見せている。重賞などの前日発売を行うかは微妙な情勢だ。
今後、状況が変わらないのであれば皐月賞、ダービーなどの根幹競走をこれまで通りの条件で行えない可能性もあるが「目の前の課題を消化するので精いっぱい。そこまで考えられない」とJRA関係者は本音を吐露した。
◆過去の中止 中山開催だけが中止となったのは、降雪の影響による98年3月1日(2日施行)、06年1月21日(23日施行)。台風の影響による95年9月17日(18日施行)、96年9月22日(23日施行)の例がある。
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