【京成杯AH】ファイアーフロート“点火”12秒8

[ 2010年9月9日 06:00 ]

美浦・ポリトラックコースで追い切るファイアーフロート

 東西で行われる3重賞追い切りが8日、美浦、栗東両トレセンで一斉に行われた。中山の重賞「第55回京成杯AH」に出走するファイアーフロートが上がり馬らしい勢いをアピールする動き。新潟リーディングを制した小笠厩舎が勢いそのままに重賞獲りを狙う。

【京成杯AH


 前走・長岡Sを制してオープン入りしたファイアーフロートはポリトラックコースを単走で駆け抜けた。直線はしっかり追われ、体全体を使ったダイナミックな脚さばきを披露。5F64秒9~1F12秒8をはじき出した。時計、動きともに文句なし。見守った小笠師も自信の表情で口を開いた。「先週(3日)にいっぱいにやっているので、きょうはやり過ぎないように半マイルから追った。いい動きだったね。休み明けを使った反動はないし上積みが大きい」
 出来は最高潮。あとは自分との戦いだ。テンションが上がりやすいタイプで、当日輸送でイレ込み20キロ前後の馬体減となることもあった。「競馬場に着いて周囲の慣れない雰囲気にだんだん気持ちが高ぶってくるんだ。遅い時間帯のレースだと余計ひどいね」。逆に前走のように滞在競馬で臨んだ札幌、阪神では【2100】と抜群の安定感。
 当日のテンションが最大の鍵となる。だが、そこは東大卒トレーナー。最善の策で臨む。「音に敏感なところがあるので、離れた場所に馬房を取る予定。さらに目隠しをしてテンションを上げないようにしたい。持ってる力はオープンでも通用するはずだからね」
 舞台は開幕週の中山。自慢の先行力をフルに生かせる。前走は初めての1400メートル戦で前半に10秒4→10秒9とハイラップを刻みながら直線は後続の追走を鼻差しのいだ。レースで初めてコンビを組んだ津村も「前走は折り合いだけに気を付けていた。距離はマイルに延びても問題ないよ。休み明けを叩いてさらに良くなりそうな手応えはあったし、先行できればチャンス」と自信たっぷり。陣営の思いが伝わったとき、その馬名の通り、秋開幕を告げる“閃光(せんこう)”のような走りを見せつける。

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2010年9月9日のニュース