【セントウルS】キンシャサノキセキ貫録の12秒7

[ 2010年9月9日 06:00 ]

ポリトラックコースで追い切るキンシャサノキセキ

 阪神の「第24回セントウルS」組では春のスプリント王・キンシャサノキセキが貫禄の動きを披露。春秋スプリントG1制覇へ万全の仕上がりを見せた。

 G1馬が、あれこれ動く必要はない。キンシャサノキセキの追い切りからは、どっしりとしたオーラすら漂っていた。猛暑を避けるため例年より1時間繰り上げ、5時に開場したポリトラックコース。周囲をヤミが包む中、高松宮記念覇者は氷上を滑るがごとくスムーズにゴールまで駆け抜けた。1Fは12秒7。暗さも手伝って、脚さばきはタイム以上に俊敏に見えた。
 「1F15秒で入り3Fからペースアップして直線の反応を見た。予定通りの時計で反応、動きとも良かった」。手綱を取った橋本助手は納得の表情を浮かべた。春、悲願のG1制覇を果たした後は放牧でリフレッシュ。9月4日に美浦へと戻り、丹念に時計を積んできた。
 「ひと追いごとに良くなり順調に来た。間隔は空いたが力を出せる状態。体重は7日に量って507キロ。金曜の輸送で減るだろうが現地で回復することも計算に入れている」(同助手)。阪神C、オーシャンS、高松宮記念が504キロでの快勝。当時とほぼ同じ体重で出走できるだろう。レースに向けて自分から体重をコントロールする馬はいるが、ここまで正確無比な馬はそういない。体内に体重計を備えているかのようだ。
 ただ、課題がないわけではない。「今回は59キロを背負う。初めてのことだから正直厳しい。能力と状態の良さでカバーしてほしい」。過酷な重量はG1馬となった以上、宿命とも言える。500キロ超の雄大な馬体を誇り、以前とは比較にならぬほどパワーアップしているのだから、あっさり克服する可能性もある。59キロをものともせず、このメンバーで勝ち切るようなら、スプリンターズSを制しての春秋スプリントG1連覇が現実味を帯びてくる。

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2010年9月9日のニュース